予備設定分析とは何か?コンティジェンシー予備・マネジメント予備についても解説

予備設定分析の概要

予備設定分析とは、プロジェクトのスケジュール所要期間、予算、コスト見積り、または資金の予備を決める際に使用される手法で、プロジェクトマネジメント計画書に組み込む構成要素(つまりスケジュール・マネジメント計画書やコミュニケーション・マネジメント計画書など)の基本的な特徴と関連性を決定する分析技法です。

プロジェクトでは、さまざまなリスクに対して、予備が設けられるのが一般的です。
例えば、プロジェクト中の予期せぬトラブルによって追加の費用が発生したり、スケジュール遅延が発生した際に予備がなければ、たちまちプロジェクトは立ち往生してしまいます。
とはいえ、無尽蔵に予備を設けてしまえば、プロジェクトは完了しないですし、コスト超過に陥ってしまいます。

では、どのように予備を設けておくことが適切なのかを考えていくのが予備設定分析の目的です。

予備設定分析の実践

リスク・マネジメントとあわせて考える

予備設定分析はリスク・マネジメントとともに考えていく必要があります。
リスク対応戦略にはリスクの解決策がなく、そのリスクを受け入れる「受容」というものがありますが、予備はこの「受容」が選ばれたリスクに対して設けられるのが一般的です。
このリスク対応戦略については、下記のページで解説していますので、よろしければご参照ください。

予備設定分析は「既知の未知」に対するものか、「未知の未知」に対するものかで予備の内容を変えていきます。
ここからは、「既知の未知」、「未知の未知」の違いについて見ていきましょう。

既知の未知に対する予備:コンティジェンシー予備

「既知の未知」というのは、ある作業をしている時に、「5日で完了すると予想しているものの最大10日かかってしまう」「野外イベントで雨が降ってしまう」というような「存在は認識しているが、対処しようがないリスク」と言い換えてもよいかもしれません。

「既知の未知」に対して「コンティジェンシー予備」と言うものが設けられます。つまり、予備の時間や資金が想定されるようになります。
このコンティジェンシー予備は見積もられた所要期間の割合で決めたり、一定の期間が設けられます1)PMBOK第6版、202頁。

コンティジェンシー予備はプロジェクトに関する正確な情報が明らかになるにしたがって、削減されたり削除されたりするようになります。

未知の未知に対する予備:マネジメント予備

「未知の未知」というのは、まったく予期できないリスクのことです。例えば、2020年に流行した新型コロナウィルスのように、プロジェクト中に想定していなかったリスクは「未知の未知」のリスクにあたります。この「未知の未知」に対してはマネジメント予備が設けられます。

このマネジメント予備も一定量の期間や資金が設けられますが、これのマネジメント予備を使用する場合は、プロジェクトを根本的に見直さなければならないことが多いので、プロジェクトのベースラインの変更要求が出されます。

参考

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1. PMBOK第6版、202頁。