チームが変更に耐えられるかを測るDICEフレームワークとは何か?
DICEフレームワークとは
DICEフレームワークとは、ボストンコンサルティンググループ(BCG)によって開発されたツールで、プロジェクトの変更を支援するフレームワークです。
DICEフレームワークでは、「期間(Duration)」「誠実さ(Integrity)」「コミットメント(Commitment)」「努力(Effort)」の4つの要素を評価し、組織やチームが変化に対応できるかを判断します。
DICEフレームワークの4つの要素
ここからはDICEフレームワークの4つの要素を解説していきます。
期間(Duration)
「期間」とは、全体の時間や、重要なマイルストーン間の時間、プロジェクトのレビューの頻度を指しています。
誠実さ(Integrity)
「誠実さ」とは、プロジェクト・チームのスキルやモチベーション、経験などを指します。
コミットメント(Commitment)
「コミットメント」とは、プロジェクトのステークホルダーのコミットメントを意味しています。
このコミットメントの要素は、さらに以下の2つに分けられます。
- エグゼクティブ・スポンサーや上級幹部からの支援
- プロジェクトから影響を受ける人々からの支援
努力(Effort)
「努力」は、変更するにあたって、プロジェクトが追加で求める労力を意味しています。
DICEフレームワークを使った変更の難易度チェック
DICEフレームワークでは、以下の5つの要素を4段階で評価し、プロジェクトの変更の難易度を測定します。
- 期間(D)
- 誠実さ(I)
- エグゼクティブ・スポンサーや上級幹部からの支援(C1)
- プロジェクトから影響を受ける人々からの支援(C2)
- 努力(E)
各要素に対して、「最高」を「1」、「最悪」を「4」として評価していき、以下の式にあてはめ、DICEスコアを算出します。
DICEスコア = D + (2×I) + (2×C1) + C2 + E
つまり、すべての状態が最高であれば、DICEスコアは7、最悪であれば28になります。
このDICEスコアをもとに、そのプロジェクトが変更に耐えられるかどうかを判断します。
- 7以上14未満:変更はプロジェクト成功の機会になる
- 14以上17未満:失敗のリスクがある
- 17以上:おそらくプロジェクトは失敗する
このDICEフレームワークの各要素は場当たり的な対応では改善することはできません。
ステークホルダー・マネジメントやスケジュール・マネジメントなどを万全にし、常にDICEの各要素を良好にしておくことが大切です。
参考
- Antonio Nieto-Rodriguez, Harvard Business Review Project Management Handbook: How to Launch, Lead, and Sponsor Successful Projects Harvard Business Review Press, 2021.