インフルエンス・ダイアグラム(影響図)とは何か?

2020年12月15日

インフルエンス・ダイアグラムの概要

インフルエンス・ダイアグラム(Influence Diagram)とは、因果関係、事象の時系列、その他の変数と結果の関係などの状況を図示したものです[1]PMBOK第6版、700頁。影響図とも呼ばれます。

プロジェクト・マネジメントの中ではリスクの定量的分析で用いられます。

インフルエンス・ダイアグラムの作り方

インフルエンス・ダイアグラムの要素

インフルエンス・ダイアグラムでは、いくつかの形のノードと矢印を使って、要素の相互作用をマッピングしていきます。

ノード

ノードとは、検討されている意思や影響を与える要素、不確実性のことで、インフルエンス・ダイアグラムの中では長方形や楕円形で表されます。
ここからは参考画像1をもとに、ノードの種類を確認していきましょう。

参考画像1:インフルエンス・ダイアグラムで作られた休暇の活動の意思決定のイメージ(画像はWikiより)

決定ノードとは、参考画像1中の長方形で示されている要素です。決定ノードは意思決定の内容を表していますが、参考画像1では“Vacation Activity"、つまり「休暇の活動」が決定ノードとして掲載されています。

楕円形で示されているのが不確実性ノードと呼ばれるものです。その名の通り、不確実な要素を掲載しています。
参考画像1では、“Weather Condition"、つまり「天気の状況」“Weather Forecast"、つまり「天気予報」が不確実ノードに該当します。

八角形で示されているのは値ノードと呼ばれるもので、一連の影響の連鎖によって出力される要素です。
参考画像1では“Satisfaction"、つまり「満足」が出力されます。

矢印

矢印は影響の向きを表しています。

ノードのつなげ方

参考画像1を例にしてノードのつなげ方を見ていきましょう。
参考画像1では、"Weather Condition"から"Weather Forecast"と"Satisfaction"に、"Weather Forecast"から"Vacation Activity"に、そして"Vacation Activity"から"Satisfaction"に矢印が伸びています。
つまり、「天気の状況」は「天気予報」に影響し、「天気予報」は「休暇の活動」の意思決定に影響し、「休暇の活動」と当日の「天気の状況」は「満足」に影響していることを示しています。
このように、インフルエンス・ダイアグラムでは、要素を矢印でつなげていき、影響の流れを図示していきます。

インフルエンス・ダイアグラムの作り方に決まった手順はありません。
ブレインストーミングなどで考えられる不確実性や意思決定の内容、出力される値を洗い出していき、それらの関係性を会議などで話し合いながら明らかにしていきます。

参考

1PMBOK第6版、700頁。