ローリング・ウェーブ計画法とは何か?反復計画法の1つを解説
ローリング・ウェーブ計画法の概要
ローリング・ウェーブ計画法とは、早期に完了させなければならない作業は詳細に、将来の作業は大まかに計画を立てるという反復計画技法のひとつです。
ローリング・ウェーブ計画法は、WBS作成時やアクティビティの定義など、プロジェクトのスコープを考える際に使用されます。
PMBOKでも紹介されている通り、プロジェクトには「段階的詳細化」という特性があります。
段階的詳細化とは、簡単に言うと、「将来のことは詳細には分からない」ということを言っています。そのため、ローリング・ウェーブ計画法では、予測がつきにくい将来のことは大まかに計画を立て、見通しの立つ直近の作業や計画を詳細に検討していきます。
ローリング・ウェーブ計画法を利用するメリット
プロジェクトでは、さまざまな変更が生じます。そのため、プロジェクトのスコープを考える際に、WBSを作成することは多いですが、WBS作成時に全ての作業について詳細に決めてしまうと、WBSの内容に縛られて状況の変化に柔軟に対応できなくなることがあります。
しかし、ローリング・ウェーブ計画法を用いて、直近で実施する作業だけを詳細化しておけば、プロジェクトの変更に柔軟に対応することができます。
ローリング・ウェーブ計画法を用いたWBS作成方法
ここからはWBSを作成する際に、どのようにローリング・ウェーブ計画法を用いるのかを解説していきます。
WBSについては、下記のページで詳しく解説していますので、WBSの作成については要約しながらお話ししていきます。
WBSを作成する際は、以下のような手順で進めていきます。
- 大雑把なレベルで作業を洗い出す
- 作業を細かく分解していく
- 作業を整理し、階層的に構成する
- 各作業の必要日数(工数)を見積もる
- 作業順と担当者を決める
ローリング・ウェーブ計画法を用いる場合は、3番目の手順までWBSを進めたら、4番目、5番目の手順については、直近の内容だけ詳細に検討し、先の予定については大枠だけを決めておきます。
また、詳細を考える際に必要と判断された場合は、作業を補足する内容(サブタスク)などを設け、行動しやすいようにしていきます。
この作業内容の詳細化をプロジェクトの展望が明らかになったところから繰り返し実施していくため、打ち寄せる波に見立てて、「ローリング・ウェーブ」計画法と呼ばれています。