ブレインストーミングを理解してアイデアを量産しよう ルールと流れを解説

2020年5月28日

ブレインストーミングとは

ブレインストーミング(Brainstorm)とは、会議に参加した人たちが自由な発想で意見を出し合い、新しいアイデアを生み出すための手法のことで、 日本では「ブレスト」と略されて使われています。
ブレイン(brain)は脳、ストーム(storm)は嵐を意味するように、ブレインストーミングは、「脳に嵐を巻き起こし、多様なアイデアを出す」ことを目的としています。
このブレインストーミングという言葉は、アメリカの広告代理店BBDO創設者の一人であるアレックス・F・オズボーン(Alex Faickney Osborn)が考案した手法です。
オズボーンは広告会社の幹部である一方で、「創造」に関する熱心な理論家・教育者でもあり、1948年に出版された『Your Creative Power (邦題:創造力を活かす)』の中でブレインストーミングという言葉を紹介しました。
その後、ブレインストーミングの手法は全世界に広まり、今日までながく使用されています。

教育者としても尊敬されるオズボーンを紹介する動画

今回の内容は動画でも解説していますので、よろしければご覧ください。

どんな場面でブレインストーミングを使うべきか

「解決したい問題があるが、よいアイデアが浮かばない」
「新しい企画が思い浮かばない」
仕事をしていると、 こうしたことはよくありますよね。
問題を解決したり新企画を立ち上げたりする場合、自分一人でいくら考えても限界があり、頭の中で堂々巡りしてしまうことがあります。
こうした時は、自分とは違う知識や経験を持った人たちにアイデアを出してもらうと解決することがあります。
アイデアというものは、「既存の要素の新しい組み合わせ」とも言われるように、多様なアイデアがあってこそ、よいアイデアが生まれるからです。
逆に言うと、自分一人だけでは、持っている知識や経験に限界があるため、新しいアイデアはなかなか生まれません。
効率的にアイデアを出し、新たな発想を得たい時は複数人でのブレインストーミングを使うとよいでしょう。

ブレインストーミングを実践してみよう

ブレインストーミングで守るべき4原則

ここからは実際にブレインストーミングを用いていく方法を解説していきます。
まずはブレインストーミングのルールをご紹介します。
会議にブレインストーミングを導入する上で、ブレインストーミングの生みの親であるオズボーンは守るべき4つの原則を示しています。

  1. 他人のアイデアを否定しない
    意見を否定することは自由な発想を妨げるので、絶対にNG。
  2. どんな発想のアイデアも受け入れる
    突拍子もないアイデアの中にこそ、問題解決の糸口があるものです。
  3. 質よりも量が大事である
    量は、いつか質に転換していくという考え方に基づいています。
  4. 結合と改善
    他人のアイデアを組み合わせたり改善したりすることで、更によいアイデアが生まれます。

ブレインストーミングを行う場合は、これら4つの原則を参加メンバーに伝え、遵守してもらうようにしていきます。

ブレインストーミングの開始前に準備すること

テーマを決める

ブレインストーミングを行う際は、テーマを具体的に絞り込みましょう。
しばしば、「何もきめていないけど、とりあえずブレストしてみようか」という形で、ブレインストーミングが使われることがありますが、ブレインストーミングの効果を最大限に発揮するためには、テーマは明確にしておく必要があります。
例えば、「社員に自己啓発をどのように促すか」だと、やや抽象的すぎるテーマ設定です。自己啓発といっても、本を読むことも自己啓発であれば、セミナーに行くことも自己啓発です。こうしたテーマ設定では、あまりにもアイデアが拡散してしまい、収拾をつけることが難しくなってしまいます。
そこで、「社員に月10冊本を読ませるにはどうすればよいのか」ぐらいにまで、具体化し、テーマの絞り込みを行いましょう。
「何を」「どうしたい」という部分はあらかじめ具体的に示しておき、「どのようにするのか?」という手段だけをブレインストーミングで考えていくと、話がまとまりやすくなるでしょう。

参加メンバーを選ぶ(5~10人)

ブレインストーミングの結果は、参加メンバーの知識や経験に左右されます。
また、 ブレインストーミングの終了後に参加メンバーからアイデアの漏えいなどがあってはいけません。
そのため、能力や経験面を基に多様な人材を集め、情報漏えいがおきないように人格面でも信用できる人たちをメンバーに選びましょう。

リーダー及び書記を決める

ブレインストーミングを行う場合は、おだて上手や乗せ上手な人をリーダーに据えるとよいでしょう。
他の意見をどんどんくみ取ってくれるリーダーが話を進行させていけば、参加メンバーからアイデアが沢山出やすくなります。
また、生まれたアイデアを書き留めておく必要があるため、書記を任命する必要があります。
ブレインストーミングで選ばれる書記は文字が書ければよいわけではありません。
メモを取りながら、口頭で話された意見をも記録する必要があるので、適性を踏まえて選ぶ必要があります。

ホワイトボード又は大きな紙を用意する

ブレインストーミングでは、出てきたアイデアをどんどん記入していく必要があるので、ホワイトボードや大きな紙は必須アイテムです。
また、付箋にアイデアを書いて紙に張り付けていくというやり方もあるので、大きめの付箋もあると便利です。

ブレインストーミングの様子の画像
付箋を使ったブレインストーミングの様子(画像はWikiより)

ブレインストーミングの進め方

リーダーは参加メンバーに自由に発言させる

リーダーはオズボーンが提示した4つの原則に従い、皆が発言しやすい雰囲気作りに努める必要があります。
発言しにくそうな参加メンバーに上手く話を振るなど、全体に気を回す必要がありますし、ときにはリーダー自ら呼び水となるアイデアを出すとよいでしょう。
限度もありますが、たとえ話が脱線したとしても否定せず、まずは発言しているメンバーの話を聞く雰囲気を作っていくことが大切です。

書記は、参加メンバーが発言したアイデアを記録する

どんなに面白いと思ったアイデアでも、他人の発言は忘れてしまうものです。
そのため、ブレインストーミング中に話し合われた内容は、参加メンバーが口にした細かいキーワードも含め、可能な限り全ての発言を記録しましょう。
この時に利用できるのが、事前に用意したホワイトボードや大きな紙、付箋などの小物です。
ブレインストーミングの間は、こうしたものにどんどんアイデアを書き込んでいきます。
そしてブレインストーミング終了後には、書記がホワイトボードや付箋をみながらアイデアをまとめた報告書を作り、全員に配布します。

出てきたアイデアをまとめる

ブレインストーミングはアイデア出しの側面が強調されますが、何かしらの課題に対する解決手段を模索する活動の一つであるため、最終的にはいくつかのアイデアに話をまとめていく必要があります。
リーダーが書記が作成した報告書をもとに判断を下す場合もありますが、山のように出てきたアイデアに対して参加メンバーが投票を行い、得票数の多いアイデアを選ぶこともあります。また、「予算」や「スケジュール」などの複数の指標をものさしに評価していくのもよいでしょう。
せっかくブレインストーミングを行うといっても、同日中にしぼりこみが行われるとなれば、人によっては気持ちが萎縮してしまい、アイデア出しに支障をきたしてしまうかもしれません。
そのため、アイデアをまとめる活動はブレインストーミングの実施日とは別日で行い、書記が残した報告書をもとに、改めてアイデアを評価していくとよいでしょう。

効果的なブレインストーミングを行うには

4原則の一つ「他人のアイデアを否定しない」を遵守する

効果的なブレインストーミングを行うために、オズボーンの4つの原則はくれぐれも破らないようにしないといけません。
とくに、「他人のアイデアを否定しない」というオズボーンが提示した原則は、簡単なことのように思われますが、実は守られないことも少なくありません。
この「他人のアイデアを否定しない」という原則がメンバー間で徹底されないと、「どんな発想のアイデアも受け入れる」、「質よりも量が大事である」という他の原則も連鎖的に守れなくなってしまいます。
ブレインストーミングの場では、アイデアを否定するのではなく、原則の1つでもある「結合と改善」を心掛けていくべきです。
他の参加メンバーのアイデアを改善し、よりよいアイデアを出すことに頭を使っていきましょう。

数のノルマや時間の制限を設ける

終わりが見えない会議は,どうしてもダラダラと続きがちです。これはブレインストーミングの手法を用いたとしても変わりはありません。
そのため、「アイデアが100個出るまで」というようなゴールや、 「就業時間までの1時間」という何らかのリミットを設けてブレインストーミングを行うとよいでしょう。

オズボーンのチェックリストを使う

ブレインストーミングという手法を使ったからといって、無条件にアイデアが湧いて出てくるわけではありません。
「自由に発言してください」と言われても、何の切っ掛けもヒントもなしにアイデアを生み出すことは難しい場合があります。
そんな時に役立つのが、以下に掲載した「オズボーンのチェックリスト」です。
オズボーンのチェックリストでは9つの質問が用意されており、ブレインストーミングのテーマについてチェックリストの順番どおりに発想を巡らせます。
チェックリストの質問が起爆剤となり、よいアイデアが出てくるでしょう。

1.他に転用したら? 他にどのような利用方法があるのか
2.手本を探したら? 他社の製品やシステムに手本にできるものはないか
3.修正したら? 形やプロセスを変えてみたらどうなるか
4.拡大したら? 大きくしてみたらどうなるか
5.縮小したら? 小さくしてみたらどうなるか
6.置き換えたら? 他のもので代替したらどうなるか
7.順番や配置を換えたら? 順番や配置を換えてみるとどうなるか
8.逆にしたら? これまでとは逆の発想をしてみたらどうか
9.結合したら? 他の製品やサービスと組み合わせたらどうなるか

ブレインストーミングのまとめ

今回はアイデア出しで使われるブレインストーミングについて解説していきました。
ブレインストーミングの目的は、沢山のアイデアが出て初めて達成されます。
真面目なアイデア、破天荒なアイデア、笑えるアイデア、何でもありです。
だからこそ、他人の意見を決して否定せず、とにかく楽しい雰囲気を心掛けることが大切になります。
ブレインストーミングを行う際は、笑いながらアイデアを出し合うぐらいで、丁度よいと言えるでしょう。

参考

Webサイト

書籍

  • 中野明『これでわかるビジネス戦略講座〔2〕』FLoW ePublication、2018年
  • 井口嘉則『マンガで入門!新規事業のはじめ方』ダイヤモンド社、2015年
  • 石井真人『自分でパパッとできる事業計画書』翔泳社、2014年