プライミング効果とは何か?フロリダ効果についても解説

プライミング効果とは

プライミング効果のイメージ画像

プライミング効果とは、ある単語や観念などに接すると、その関連語が想起されやすくなるという現象のことです。

たとえば「に」と何かのひらがなを組み合わせて言葉を完成させるゲームをすると、あらかじめ食べ物の写真を見ていた人は「にく」という言葉を発しやすくなりますし、京都の庭園の写真を見ていたら「にわ」と答える可能性が高くなります。

このように、あらかじめ受けていた刺激(プライム)によって回答が影響されるのがプライミング効果です。

写真以外にも、文字や連想されるものごとなど、広い観念がプライムになりえます。

フロリダ効果とは

プライミング効果に似た用語に「フロリダ効果」があります。フロリダ効果は以下の実験によって確認された現象です[1]ダニエル・カーネマン(著)、村井章子(翻訳)『ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか?』早川書房、2014年、99頁およびThe … Continue reading

  • 5つの単語のセットから被験者に4単語の短文をつくるように指示する(たとえば「黄色」「食べる」「邸宅」「孫」「さわやか」から4つの単語を選び、短い文章を作成する)
  • 被験者はランダムな単語が用意されていたグループ(グループA)と、「孫」「白髪」などの高齢者に関連する可能性のある単語が含まれたグループ(グループB)に分けられていた
  • 被験者は文章作成をした後、別室に移動した
  • 実験者は被験者の別室までの移動速度を計測した

この実験では、グループBの被験者の移動速度がグループAよりも遅くなったことが観測されました。このように、目にした言葉が行動に影響を与えることをフロリダ効果と呼びます

フロリダ効果では、2段階でプライミング効果が発生しています。
まず高齢者に関連する単語がプライムとなり高齢者のイメージが形成されます。
そして、その高齢者のイメージがプライムとなり、歩く速度に影響を与えました。

プライミング効果の教訓

プライミング効果から得られる教訓は、人はものごとの判断や選択を、自立した思考で行っているのではなく、何かしらの影響(プライム)を受けた状態で行っているということです。

また、お金に関するプライムを受けると、人は個人主義になり、人と関わったり、要求を受け入れるのを避けるようになることもわかっています[2]前景『ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか?』103頁。

プライミング効果の注意点

プライミング効果は面白い研究結果であるものの、さまざまな物議を醸しています。

実験に再現性がないことや、効果に強弱があるため、プライミング効果に疑問を呈す人も少なからずいます。
その指摘のとおり、プライミング効果は「○○をすれば××」になるといった方法論でも、何かしらの工夫によって人をコントロールできるというものでもありません。

そのため、プライミング効果を過信しすぎると、判断を誤ってしまうこともあるため注意が必要です。

参考

文献

  • ダニエル・カーネマン(著)、村井章子(翻訳)『ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか?』早川書房、2014年

Webページ

1ダニエル・カーネマン(著)、村井章子(翻訳)『ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか?』早川書房、2014年、99頁およびThe Florida Effect(2022年12月2日閲覧)を参考に作成。
2前景『ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか?』103頁。