デフォルト効果とは何か?身近な事例も含めて解説

デフォルト効果の概要

「デフォルト効果」(Default Effect)は、人が意思決定をする際に、特定の選択肢がデフォルト(デフォルト設定)として与えられている場合に、その選択肢を選びやすい傾向がある現象を指します。

この現象は、行動経済学や心理学の研究に基づいています。人は多くの選択肢がある場合に選択を迷うことがあり、その結果、デフォルトの選択肢に従うことが多いとされています。

デフォルト効果の具体例

新しい機種の画面

たとえば、新しいパソコンやスマートフォンに買い替えた後、画面(ユーザーインターフェース)が異なることで使用にストレスを感じることがあります。
しかし、それまでに使っていた画面と同じように設定することができたとしても、多くの人は新しい画面のまま使い続けます。
これはデフォルト効果として、「画面を以前と同じように設定する」という選択よりも、「今の状態で使い続ける」というデフォルトの選択が優先されているからです。
その結果、多くのユーザーは新しい画面にとまどいながらも、それに順応することを選んでしまいます。

あらかじめ料金に組み込まれているオプション料金

このデフォルト効果は製品やサービスの設計者が、利用者の意思決定を誘導する手法として利用され、デフォルト設定によって、利用者が望ましい行動をするようにしています。
身近な例としては、携帯電話の契約であらかじめ加入されているオプション料金が挙げられます。

「オプションとしてこのサービスを使いますか?」と聞いて加入を促すよりも、「3カ月は無料なので、不要だったら後からサービスを外してください」というような口実をつけて、デフォルトの設定としてサービスを付与してしまった方が、そのサービスの利用者は多くなります。