プロジェクトキャンバスにおける「変化(Change)」とは何か? ~どのように変化を管理するのか?~
あらかじめ変化に対応できる体制を整えておく
プロジェクトではスケジュールの変更や要求の変化など、さまざまな変化が発生します。
プロジェクト・マネジャーは、そうした変化に対応できるようにステークホルダーとの連絡方法を考え、変更の要求に対してどのような手続きで管理していくのかを計画しておく必要があります。
こうした変化の管理を「変更管理」と呼びます。
また、海外から資材を輸入する際の為替相場など、プロジェクトにはリスクもつきものなので「リスク管理」もしなければなりません。
プロジェクト・キャンバスにおける「変化(Change)」は、この変更管理とリスク管理を取り扱う領域です。
変化と付き合うための手法
変化に強いプロジェクトにするためには、プロジェクト・チームだけでなく、ステークホルダーが適切な情報を受け取れるようにしなければなりません。
そのためには、ステークホルダーがどのような情報を求めていて、どのような手段で、どのくらいの頻度で受け取らなければならないかを考える必要があります。
また、プロジェクトの変化に際して、人がどのような感情や態度をとるのかを知っていれば、プロジェクトマネジメントがしやすくなります。
ここからは、変化と付き合うための手法を紹介していきます。
ジョン・コッターの変革を導くための8つのプロセス
企業単位であれ、プロジェクト単位であれ、変化を求められる局面があります。
変化をしなければならない時、リーダーはどうすればよいのでしょうか?
その1つの指針になるのが、ジョン・コッターの変革を導くための8つのプロセスです。
キューブラー・ロスの変化曲線
プロジェクトの変化はポジティブなものばかりではありません。時にはプロジェクト・メンバーをひどく落胆させる変化に対応しなければならないこともあります。
キューブラー・ロスの変化曲線は人が喪失や悲しみにどのように向き合うかを追ったもので、悲劇的な変化に迫られた時の反応の参考になります。
DICEフレームワーク
プロジェクト・チームが変化に耐えうるかどうかの指標になるのがDICEフレームワークです。
DICEフレームワークでは、「期間(Duration)」「誠実さ(Integrity)」「コミットメント(Commitment)」「努力(Effort)」の4つの要素を評価し、組織やチームが変化に対応できるかを判断します。
影の組織図
組織を変化させたい場合は、組織に影響を与えている人物からの協力が不可欠です。
影の組織図を作成する過程で行う3つの質問は、組織に影響を与えている人物の特定に役立ちます。
発生確率・影響度マトリックス
プロジェクトにはさまざまなリスクがつきまといますが、それらのすべてに対応するのは資金的にも、人員的にも難しいことがほとんどです。
そのため、発生確率・影響度マトリックスを使い、リスクに優先度を付けて対応する必要があります。
参考
- Antonio Nieto-Rodriguez, Harvard Business Review Project Management Handbook: How to Launch, Lead, and Sponsor Successful Projects Harvard Business Review Press, 2021.