リスクの定量的分析とは何か?PMBOKに沿ったリスク・マネジメントのプロセスを解説

2020年12月17日

リスクの定量的分析の概要

リスクの定量的分析とは、プロジェクトの個別の特定した個別リスクと、プロジェクト目標全体における他の不確実性要因が複合した影響を数量的に分析するプロセスです。

PMBOKのリスク・マネジメントのプロセスには、リスクの定量的分析の他、リスクの定性的分析があります。
リスクの定性的分析がリスクの特性を把握しようと努めるのに対して、今回お話しするリスクの定量的分析は、リスクの数値化を目指します。

リスクの定量的分析のアウトプット

リスクの定量的分析の主なアウトプットは、プロジェクト文書の1つであるリスク報告書の更新版です[1]PMBOK第6版、436頁。

その更新内容は以下の通りです。

  • プロジェクトの全体リスク・エクスプロージャーの評価
  • プロジェクトの詳細な確率分析
  • プロジェクトの個別リスクが優先順位付けられたリスト
  • リスクの定量的分析結果の傾向
  • 推奨されるリスク対応策

リスクの定量的分析のインプット

リスクの定量的分析を進めるためのインプットは以下の通りです[2]PMBOK第6版、430~431頁。

ここからはこれらのインプットから何を確認していけばよいのかを解説していきます。

リスク・マネジメントの方針

リスクの定量的分析はリスク・マネジメントの1つです。
そのため、リスク・マネジメント計画書を作成している場合は、そこからリスク・マネジメントの方針を確認し、リスクの定量的分析をどのように進めていけばよいのかを確認していきます。

分析のベースとなるデータ

リスクの定量的分析を始めるにあたって、確認しなければならないのは、正常な場合のプロジェクトのデータです。
リスクの定量的分析では様々な手法でリスクを数値化していきますが、どのような値であれば問題ないのか、どのような値であれば危険(異常)なのかを判断するために、正常な場合の数値を把握しておかなければなりません。
このプロジェクトが問題なく進んだ場合の正常な値はスコープ・ベースラインスケジュール・ベースラインコスト・ベースラインというプロジェクトマネジメント計画書に記載されている3つのベースラインから確認することができます。

分析につかうデータ

リスクの定量的分析のインプットとして上に掲載した各種プロジェクト文書は分析をする際のデータや制約になるものです。
これに加えて組織体の環境要因として類似プロジェクトの業界研究であったり、利用可能なデータベースが挙げられます。
また、組織のプロセス資産としても、組織内に蓄積されている類似プロジェクトのデータを利用していきます。

リスクの定量的分析のツールと技法

リスクの定量的分析のツールと技法には、以下のものが挙げられます[3]PMBOK第6版、431~436頁。

ここからは、これらのツールと技法について解説を加えていきます。

専門家の判断

リスクの定量的分析で求められる専門家とは、分析に使用するツールを選び、リスクをモデル化する能力があり、得られた分析結果を解釈する能力のある人です。
このような専門家と協力しながら、リスクの定量的分析を進めていきます。

1 PMBOK第6版、436頁。
2 PMBOK第6版、430~431頁。
3 PMBOK第6版、431~436頁。