PDPC法(プロセス決定計画図)とは何か?新QC7つ道具の1つを解説

2022年8月29日

PDPC法は、プロセス決定計画図(Process Decision Program Chart)の略で、目標達成までに想定される不測の事態とその回避策を明確にしておく方法です。「新QC7つ道具」の1つとして、研究や技術開発、営業活動等において流動的で予測が困難である場合の課題解決における実行計画の策定に使用されます。

「強制連結型PDPC」と「逐次展開型PDPC」

PDPCには「強制連結型PDPC」「逐次展開型PDPC」の2種類が存在します。
強制連結型PDPCでは、計画時に不測の事態を想定しておき、あらかじめ解決策を検討しておく方法です。目的までのルートが定められており、手順がほぼ確定している場合に用いられます。
逐次展開型PDPCでは、現状からの変化を予測し、不測の事態が発生する度に解決策を検討し、計画の修正を行いながら最悪の事態を回避する方法です。不測の事態が発生した際に解決策を検討するため、発生した課題によっては解決策がなく、ルートが途中で途切れてしまうこともあります。全てのルートを目的に到達させる必要はなく、どこか1つのルートが目的に到達できればいいため、逐次展開型では様々な可能性の中から目的を達成できるルートを見つけ出す際にも活用できます。

PDPCの作成手順

PDPCでは以下の4つの手順で作成していきます。

  1. 目的や作成するメンバーを整理する
  2. スタートとゴールを決める
  3. 大まかなルートを作成する
  4. 不測の事態と解決策を追加する

ここからは、これら4つの手順を解説していきます。

目的や作成するメンバーを整理する

PDPCを作成する目的を整理します。その上で「強制連結型」「逐次展開型」のどちらで検討を進めるのかを定めておき、発生しうる不測の事態や解決策を検討するためのチームを結成します。

スタートとゴールを決める

PDPCを効果的に作成するためには、計画のスタート(現状の把握)とゴール(あるべき姿)を明確に設定します。目的を明確にし、PDPCの作成において課題解決を繰り返すことで結果がブレないようにしていきます。

大まかなルートを作成する

計画のスタートとゴールを定めた後は、計画を達成するために必要となる実施項目や実施した後に予想できる状態を記入し、時間の流れとして上から下、もしくは左から右といった形を矢印で繋ぎます。

不測の事態と解決策を追加する

発生すると予想される不測の事態やその解決策を記載し、不測の事態から正常な計画に戻るためのルートを検討します。この時、強制連結型では目的までのルートを達成できるように解決策を盛り込みますが、逐次展開型では解決策が見つからない場合でも目的が達成できるように複数のルートを検討します。

作成におけるポイント

前提条件を決めておく

PDPCでは不測の事態を網羅的に整理するために有効な手法となりますが、項目を挙げすぎると全体が膨れ上がるため本来達成するべき目的を見失いがちになります。あらかじめ対策における前提条件を決めておくと整理しやすくなります。

補足説明を残しておく

フローチャートの中で、解決策の根拠や確認が必要な理由といった補足説明を残しておくと、後から見返した際により整理しやすくなります。

参考