感度分析とは何か?プロジェクトへの影響を分析する方法

2021年9月7日

感度分析とは

感度分析は、計画や予測を立てる際、変数やパラメータといった要素が現状から変動した場合にキャッシュフローや最終利益などにどの程度の影響を与えるかを定量的に算出する分析です。トルネードグラフスパイダーグラフなどで見える化されることが多く、感度分析を用いることで事業収益への影響度の高い要因を定量的に把握するなど、プロジェクトマネジメントへの活用が見込まれます。

感度分析のやり方

感度分析の例として、利益に影響する要素である「売価」「数量」「変動費」「固定費」が変化することでどのような影響があるかを見てみます。

基準値として、売上高を1,000万円、固定費を200万円、変動費を400万円(売上高の40%)、利益を400万円とします。

 基準値売上高が変動固定費が変動変動費が変動
変動率+20%-20%+20%-20%+20%-20%
売上高1,000万1,200万800万1,000万1,000万1,000万1,000万
固定費200万200万200万240万160万200万200万
変動費400万480万320万400万400万480万320万
利益400万520万280万360万440万320万480万
利益差240万80万160万

上記の表からは、売上高の変動が最も大きく利益を左右し、固定費の変動による利益への影響が最も小さいことが分かります。このように、各要素の変動による影響度を分析することで、どの要素に対して利益改善を行うべきかを把握することができます。

黒字の場合

  • 利益 ÷ 売上高 ⇒ 売価がどのくらい下がると利益がなくなるか
  • 利益 ÷ 粗利益 ⇒ 販売数量がどのくらい下がると利益がなくなるか
  • 利益 ÷ 変動費 ⇒ 変動費がどのくらい増えると利益がなくなるか
  • 利益 ÷ 固定費 ⇒ 固定費がどのくらい増えると利益がなくなるか

赤字の場合

  • 損益 ÷ 売上高 ⇒ 売価がどのくらい上がると赤字がなくなるか
  • 損益 ÷ 粗利益 ⇒ 販売数量がどのくらい上がると赤字がなくなるか
  • 損益 ÷ 変動費 ⇒ 変動費がどのくらい増えると利益がなくなるか
  • 損益 ÷ 固定費 ⇒ 固定費がどのくらい増えると利益がなくなるか

感度分析の活用分野

感度分析は製造分野、研究開発分野、資源エネルギー分野にて多く採用されています。
製造分野における品質向上として、製造ラインの改善計画に感度分析を用いることで、品質に最も影響を及ぼす工程の特定、改善策実施の判断を行うことが可能となります。事業改善の定量的判断として感度分析は有効な手段となりますので、活用していきましょう。

参考