問題と課題の違いは何か? ~問題解決のための基礎知識~

2021年7月23日

動画でも解説しています

今回の内容については、動画でも解説していますので、ぜひご覧ください。

本屋さんに行くと、ビジネス書籍のコーナーに問題解決に関する様々な本が並んでいます。しかし、本によっては「問題解決」と表現するものもあれば、「課題解決」と表現するものもあります。
「問題解決」と「課題解決」の違いとは何なのでしょうか?

問題と課題の違い

問題と課題の違いのイメージ画像

問題解決の中で、「問題」「課題」という用語が頻出しますが、これらの違いは何なのでしょうか。
問題とはありたい姿と現状とのギャップ起きている現象のことを指します。
他方、課題とは、問題を解決するために、個人・組織が主体的に解決することを意思表明したテーマ・仕事を指します。

その問題を解決するにはどうするか

もう少し課題について説明していきましょう。
上述の通り、問題とは理想と現実とのギャップや起きている現象のことを指します。
例えば「売上が月間の目標に対して1,000万円も足りていない」というビジネス的な問題から「数学の点数が上がらない」という学生の悩みまで様々です。
このまま問題を放置しておくのは良くないので、「売上を1,000万円伸ばすにはどうすればよいのか?」「数学の点数を上げるにはどうすればよいのか?」ということを考えていきます。
このように「問題を解決するには?」という問いに対して答えたものが課題です。

原因の洗い出し→課題の立案→実行

問題と原因、課題の関係性のイメージ

問題解決に取り組んでいくうえで、課題は主観的な思い付きで立ててはいけません。
問題解決に取り組む際には、まず問題の原因を洗い出します。
例えば「売上が足りない」という問題に対しては「知名度が足らない」「営業数が足らない」「販売数が足らない」というような様々な原因がありますが、その中で本当に致命傷になっている原因を探し出し、課題を立てる必要があります。
原因の洗い出し、課題の立案、そして課題への取り組み(実行)は問題解決の一般的な手順です。

問題と課題は1:多の関係

問題と課題は1:多の関係にあります。
つまり、1つの問題に対して、複数の課題があっても構いません。
例えば先ほどの「売上が足りない」という問題に対して、「営業数を月20件増やす」という課題とともに「販売単価を1,000円上げる」という課題が並走することもあります。

多くの場合、1つの課題をこなして問題が解決するということはなく、複数の課題を解決することで、問題解決に至ります。

まとめ

今回は問題と課題の違いについてご紹介してきました。
問題とはありたい姿と現状とのギャップや起きている現象のことを指しますが、課題とは、「問題を解決するためにはどうすればよいのか?」と考えた時に立案されたテーマ・仕事を指します。
問題と課題は1:多の関係にあり、1つの問題に対して複数の課題が立てられることもあります。

参考

  • HRインスティテュート (著)・ 野口吉昭 (監修)『30代までに身につけておきたい「課題解決」の技術』PHP研究所、2011年
  • 渡辺 健介『世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく』ダイヤモンド社、2007年