突然Webサイトのアクセスが激減した時はどうすればよいのか?考えられる原因と対処法を解説

2022年7月22日

ある日突然Webサイトのアクセスが激減した

突然Webサイトのアクセスが激減した時はどうすればよいのか?

今回は投稿者の経験をもとに、ある日突然Webサイトのアクセスが激減した時の対処法を解説していきます。

「Webサイト アクセス激減」などで検索してみると、SEOに関する問題が紹介され、古いページの見直しや、タイトルの再考などが促されます。
しかし、こうしたSEOの問題であれば、緩やかにアクセスは減少するものです。
一方、今回の記事で紹介するアクセス低下は、たとえば「昨日まで1日1,000ユーザーが訪れていたのに、200ユーザーしか来なくなった」というような、急転直下の減少です。

サーバーの問題

Webサイトのアクセスが激減していることがわかったら、真っ先に疑うのはWebサイトを格納しているサーバーです。サーバーに問題があると、Webサイトが表示されないため、Webサイトのアクセスは激減します。

Webサイトのアクセスに異常を感じたら、まずは利用しているサーバー会社のWebサイトで障害報告がされていないかを確認します。
とくに障害が発生していないようであれば、使用しているサーバーが停止していないかを確認します。もしかするとDDoS攻撃などのサイバー攻撃にあって、サーバーが落ちてしまっているかもしれません。
また、契約更新を忘れていたため、サーバーの契約ができていないということもあります。契約更新が正常に行われず、サーバーが利用停止になったとしても、管理会社に連絡をし、再度契約を結ぶことでもとの状態に戻すことができるかもしれません。

サーバーが停止しているとWebサイトが表示されず、アクセス数は0になると思われます。しかしサーバーが停止していたとしても、ブラウザのキャッシュによってWebサイトが表示されることがあり、その場合もGoogleアナリティクスなどのアクセス解析ツールに検知されます。そのため「アクセスはあるからサーバーには問題はない」と断定せずに、サーバーを確認することが大切です。

小括
  • サーバー会社から障害報告が出ていないか確認する。
  • サーバーが停止していないか確認する。
  • サーバーの契約に問題がないか確認する。
  • アクセスが検知されても、サーバーに問題がないと断定しない。

ドメイン(DNS)の設定の問題

Webサイトのアクセスが激減した場合、Webサイトに紐づけているドメインの設定が関係しているかもしれません。
ドメインの設定に誤りがあってもWebサイトが表示されなくなり、アクセス数が低下します。サーバー同様、キャッシュで表示される場合があるだけでなく、ドメイン(DNS)の設定は内容が反映されるまでに時間がかかるため、その設定が原因であることに気づきにくいという問題もあります。

ドメインに問題があるかどうかを確認するには、ドメインの管理画面に入り、DNSの設定に誤りがないかを確認します。作業の負担を減らすためにも、Webサイトのアクセスに異常が見られた日の前にDNSの設定をしたかどうかを周囲に確認するとよいでしょう。
たとえば、何かしら外部のWebアプリケーションとの連携や、メールを使用するためにDNSの設定をしており、その設定の問題でWebサイトが表示されなくなっているのかもしれません。
また、サーバーと同様、契約が切れているため、ドメインが使用できなくなっているという可能性もあります。

コマンドプロンプトの画面の画像
コマンドプロンプトの画面(設定情報が含まれているためぼかし加工をしています)

ドメイン(DNS)の設定に問題があるかどうかは、コマンドプロンプトやターミナルから下記のコマンドを打つことで確認することができます。

nslookup -type=ns [ドメイン名]

しかし、このコマンドを打つことに慣れていないと、ドメイン(DNS)の設定を確認できないだけでなく、別のトラブルを招きかねません。
そのため、コマンドを打つことに慣れていない方は、nslookupを実行してくれるWebサイトの力を借りるとよいでしょう。

CMANさんのWebサイトでnslookupを実行する画像
CMANさんのWebサイトでnslookupを実行する様子

たとえば、CMANさんのWebサイトでは細かな設定をしてnslookupを実行することができます。
詳しい理由は省きますが、ホスト名にドメインを入力し、オプションでは「正式なネームサーバ」を選んで実行します。

問題なくDNSが設定されている場合は、その設定の内容が表示されますが、問題がある場合は応答結果に「指定されたドメイン名が見つかりません。」などのエラーメッセージが表示されます。

こうした情報を頼りに、DNSの設定に誤りがないかを確認していきましょう。

DNSについては下記の記事をご参照ください。

小括
  • DNSの設定に問題がないかを確認する。
  • ドメインの契約に問題がないかを確認する。

Googleからのペナルティ

以上の点を確認し、いずれも問題がないのにアクセスが激減している場合、Googleのペナルティが疑われます。
Googleは定期的に検索結果を表示させるアルゴリズムを見直し、その結果ページの検索順位が落ちてアクセス数が低下することがあります。
しかし、冒頭で述べたとおり、その変化は顕著ではあるものの、緩やかです。たとえば、ある日を境に1日平均1,000ユーザー来ていたものが、800ユーザーまで落ちてしまったということはよくあります。
この程度の変化であれば、WebサイトのコンテンツやSEOを見直すことにより、アクセス数を改善することができます。

しかし今回取り上げるような急低下の場合は、ルールを違反したことにより、Googleがペナルティを課し、検索順位を下げている可能性があります。

このペナルティにはいくつか種類がありますが、投稿者が体験したものを中心に紹介していきます。

Google AdSenseのパブリッシャーポリシー違反

投稿者がこれまで体験した中でGoogle AdSenseのパブリッシャーポリシー違反は、最も重いペナルティでした。
Webサイトに簡単に広告を掲載し、その収入を得られるプログラムであるGoogle AdSenseは、表示されているWebサイトが遵守すべきポリシーを発表しています。
そのポリシーに背くと、広告の掲載を停止するだけでなく、掲載しているWebサイトの掲載順位を落としてしまうこともあります。
よく話題に上がるのが「不正クリック」です。自身のWebサイトに掲載されている広告を自分でクリックしたり、自動で広告をクリックさせるプログラムを組み込むと、ポリシー違反としてペナルティが課せられます。
このペナルティは解除の申請をすることができます。そのため、Google AdSense上で違反している旨の通知があれば、すぐに解除の申請をしましょう。
しかし申請をしたとしても、Googleが許してくれるまでアクセス低迷が続きます。長い場合は数ヶ月にわたってアクセスが落ち込むことがあります。
このような事態にならないためにも、パブリッシャー向けポリシーを遵守することが大切です。

Google八分

「Google八分」とはGoogleの検索結果の操作を村八分にたとえた造語です。Googleは犯罪に関わるサイトやSPAM的な手法でアクセスを得ようとするサイトの検索順位を低くし、ユーザーの目に触れないようにしています。
悪質なWebサイトを運用していない場合も、このGoogle八分に巻き込まれることがあります。SEOの歴史上で有名なのが被リンクによるペナルティです。
通常、リンクを貼ってもらったWebサイトは、Googleにそのコンテンツが評価され、検索順位を上げると言われています。リンクを貼ってもらうことを「被リンク」と言いますが、以前はこの被リンクの効果が高く、SEO業者は適当に立ち上げたWebサイトにクライアントのWebサイトのリンクを掲載し、被リンクの数を増やして検索順位を上げようとしました。
しかしある時から、Googleはこうした意図した被リンクは評価しないようなアルゴリズムを組みました。ペナルティを課したかどうかまでは定かではありませんが、このアルゴリズムの変更により、SEO業者に被リンクを貼らせていたWebサイトは検索順位を大きく落とし、アクセスを低迷させました。
この話からもわかるように、安易なSEOの話を採り入れたために、Google八分を受けてしまうということがあるかもしれません。
こうしたペナルティもGoogleに解除を申請することができますが、やはりペナルティを受けないことを考えてWebサイトを運用することが大切です。

ウェブに関する主な指標テストに合格していない

これまで紹介したペナルティは、不正をしたために発生したものです。しかし最近では不正ではなく、Webサイトの作りが悪い結果、検索順位を大幅に落とすことがあります。

近年、Googleは「ウェブに関する主な指標」を掲げ、その数値の悪いWebサイトの検索順位を低下させています。指標の中にはページ内のコンテンツの描画にかかる時間やページの表示速度などがあります。この指標の中の1つであるコンテンツのズレに関する「CLS」については、Promapediaも引っかかり、その修正とペナルティ解除までに多くの時間を費やしました。この時の様子については下記の記事にまとめていますので、よろしければご覧ください。

ウェブに関する主な指標については、Googleが提供するPageSpeed Insightsで知ることができるほか、同じくGoogleが提供するSearch Consoleでも随時その状態を知ることができます。

修正を検証」

問題のある指標を改善したら、Search Consoleの「ウェブに関する主な指標」のページで表示される「修正を検証」ボタンを押し、検証の依頼をかけます。
この検証もすぐには完了せず、約1ヶ月ほどの時間が必要です。そのため、このペナルティも課されないよう予防しておくことが大切です。ウェブに関する主な指標が悪化すると、Search Console上でその旨の通知が入るため、Search Consoleの通知には目を光らせておくとよいでしょう。

  • Googleのペナルティが課せられた場合は、問題に対応し、解除の申請をする。
  • ペナルティの解除には時間がかかるため、そもそもペナルティが課せられないようWebサイトを運用することが肝心。

まとめ

Webサイトのアクセスがある日突然激減した場合、原因はWebサイトのSEOにあるのではなく、Webサイトを取り巻く環境であることがほとんどです。格納しているサーバー、紐づけているドメインを確認し、Googleのペナルティを課されていないかをチェックしましょう。