ネットワーク機器にログが表示されない時に確認するべきポイントと対処法をコマンドとともにやさしく解説【ネットワークのトラブル】
ネットワーク機器にログが表示されない時に考えられる原因
ネットワーク機器にログが表示されない場合、原因の多くはネットワーク機器の設定ミスです。
ミスしやすい設定は、以下の通りです。
- ログ出力を有効にしていない
- ログバッファサイズが小さい
- ログの出力レベルが適切でない
- リモート接続でターミナルモニターを有効にしていない
ここからはこれらの内容を詳しく説明していきます。
ログ出力を有効にしていない
ログが全く表示されない場合、ネットワーク機器へのログ出力を有効にしていない可能性があります。
Cisco機器ではログの出力がデフォルトで有効になっていますが、外部にログを出力する場合、ネットワーク機器へのログ出力は不要と判断し、ログ出力を無効にする場合もあります。
ログバッファサイズが小さい
一部のログは表示されるものの、古いログが表示されない場合、ログバッファサイズが小さいことが原因として考えられます。
ログバッファサイズとは、機器内部に保存するログのサイズのことです。ログバッファに保存できなかったログは、古いものから消えてしまいます。そのため、新しいログに上書きされ、古いログが表示されていない可能性があります。
ログの出力レベルが適切でない
一部のログは表示されるものの、確認したい内容のログが表示されない場合、ログの出力レベルが適切でないことが原因として考えられます。
ログは重要度によってレベル分けされ、どのレベルをログ出力するか指定できます。確認したいログが、設定したログ出力レベルに含まれていない可能性があります。
リモート接続でターミナルモニターを有効にしていない
TelnetやSSHなどリモート接続でネットワーク機器にログインしている場合、ターミナルモニターを有効にしていないことが原因として考えられます。
リモート接続時は通常、ネットワーク機器にログが表示されません。リモート接続後にターミナルモニターを有効にする必要があります。
対処方法
ネットワーク機器にログを表示するために、以下の設定を変更します。
- ログ出力の有効化
- ログバッファサイズの変更
- ログ出力レベルの変更
- ターミナルモニターの有効化
ネットワーク機器の機種やメーカーによって、設定が異なります。
以下では、ネットワーク機器の中で代表的なCisco機器を例に説明します。
ログ出力の有効化
以下のコマンドを入力し、ログ出力を有効化します。
logging console
ログバッファサイズの変更
以下のコマンドで、ログバッファサイズを変更します。
logging buffered [サイズ]
[サイズ]でログバッファサイズを指定します。
ログ出力レベルの変更
以下のコマンドで、ログの出力レベルを変更します。
logging buffered [レベル]
[レベル]で出力するログのレベルを指定します。
Cisco機器の場合、ログの重要度により、以下の8つのレベルが設定されています。
レベル | 説明 |
---|---|
emergencies | システムが不安定 |
alerts | 即時処理が必要 |
critical | クリティカルな状態 |
errors | エラー状態 |
warnings | 警告状態 |
notifications | 正常だが注意を要する状態 |
informational | 情報メッセージ |
debugging | デバッグメッセージ |
全てのログを表示させる場合は、以下の設定になります。
logging buffered debugging
ターミナルモニターの有効化
以下のコマンドで、ターミナルモニターを有効化します。
terminal monitor