リプレースとは何か?ハードウェアのリプレースの必要性とリプレースの手順を解説
リプレースの概要
リプレースとは、ネットワーク機器や、サーバーなどのハードウェアを新しいものに交換する意味で使われる言葉です。
アプリケーションなどのソフトウェアなどを交換する際にも使われます。
「更改」と同じ意味で使われることが多い言葉です。
リプレースが必要である理由
ハードウェアは長年使い続けていると、老朽化がすすみます。
サーバーであれば、老朽化したまま使い続けていると、処理能力が低下し、動作が遅くなったり、故障が発生します。
長期で使い続けて劣化した機器は、生産性や安全面を考慮し、新しい機器にリプレースする必要があります。
また、ネットワーク機器には、サポート期間が決まっています。期限が切れた機器は保守などが受けられません。
その為、保守・サポート終了であるEOLのタイミングでリプレースが必要となります。
リプレースの手順
リプレース本番までには下記のフェーズがあります。
- 要件確認
- 機器選定
- 設計
- 移行計画
以下では、各フェーズについて具体的に説明します。
要件確認
リプレース対象機器が使用している機能や、スループットなどのスペックを確認します。
リプレースのタイミングで追加したい機能がある場合は、ユーザーへヒアリングを行い、要件をすり合わせます。
要件確認の際には、必要に応じて現地調査を行います。この現地調査は、物理的な状況を確認する目的で行います。
現地調査では、ネットワークラック内および機器設置状況、ケーブルの余丁、電源の空き口数などを確認し、写真や図で情報を残します。
この情報が、本番リプレース作業の手順、タイムスケジュールの作成時に役に立ちます。
ここで注意するのがネットワークラック内の状況です。
ラック内に空きスペースがあるか確認します。
空きがある場合、リプレース時に、古い機器を残したまま、新しい機器を設置できます。
新旧の機器を併設設置することで、切り替え時に問題発生した場合でも、切り戻しを短時間で行うことができます。
機器選定
要件をもとに条件に合う機器を選定します。
機器選定の際は、EOL、EOSについても確認することが大切です。
保守終了が近い機器を導入してしまうと、また近いうちにリプレースが必要となってしまいます。
また、この段階でメーカーの在庫状況なども確認しておきます。
最近では、半導体不足の影響で、機器の納品に遅れが発生することがあります。
早めに機器の在庫確保をすることが重要です。
設計
古い機器から新しい機器へ、設定の引継ぎを行います。
同じメーカーの機器であっても、バージョンが変わることで、設定方法やコマンドが変わることがあります。
要件や設計書を確認しながら進めることが大切です。
移行計画
リプレースを行う手順を計画します。
一度に何十台もの機器をリプレースする場合、複数回に分けてリプレース作業を行うこともあります。
複数回に分けてリプレースする場合は、一時的に古い機器と新しい機器が同じネットワーク内に混在することになります。
その状況で不具合が発生しないような作業順番、スケジュール、移行方式を考える必要があります。
移行方法には、一括移行方式、段階移行方式、並行移行方式、パイロット方式などがあります。