相対多数とは何か?メリット・デメリットを解説

相対多数の概要

相対多数とは、投票において、過半数に達していなくても、グループで最大多数の票を得た勢力が選出されたり、その意思が尊重されたりする手法です。
政治の選挙でも使われる手法ですが、プロジェクトマネジメントにおいても採用される手法です。

相対多数のメリット

プロジェクトマネジメントだけでなく、投票において意思決定を行う場合には、以下の3つの手法のうちのいずれかが採用されます。

  • 満場一致
  • 過半数
  • 相対多数

満場一致は、投票の参加者の意思が一致しているので、最も納得のいく結果が得られます。
一方で、全ての参加者の意思が一致しなければ合意にいたらないため、合意形成には時間がかかってしまいます。

また、過半数は参加者の半数の投票が得られれば、その意思が尊重されるため、満場一致に順じて納得できる結果が得られます。
しかし、満場一致ほどではないにせよ、参加者の過半数の方向性を一致させることも、時間がかかってしまう場合が多くあります。

このように満場一致や過半数では、意思決定・合意形成に時間がかかってしまいます。
そのような中で、相対多数は最大多数の票を得た意見が採用されるため、合意形成の時間が他の手法に比べて短いのが特長です。
このような特長をもつため、プロジェクトの参加者(ステークホルダー)が多く、合意形成が難航しそうな場合に相対多数が用いられます。

相対多数のデメリット

相対多数は意思決定・合意形成までの時間が短いことが特長ですが、反面、反映されなかった意見(死票)を多数生むというデメリットもあります。

例えば、スケジュールの関係上、改修で取り入れる機能を10の候補の中から2つ選ぶという際に、相対多数で意思決定を行うと、選ばれた機能以外に投票した人の意思は全く尊重されません。

また、投票の参加者が少ない場合は、合意形成にかかる時間がそこまで必要にならないため、相対多数を用いるよりも、満場一致や過半数の手法を採用したほうが参加者の納得のいく意思決定ができます。

こうしたデメリットも把握しながら、相対多数を採用するかどうかを選択する必要があります。