カークパトリックモデルとは何か?学習・トレーニングを評価する4つのレベルを解説
カークパトリックモデルの概要
カークパトリックモデルとは、アメリカのウィスコンシン大学の名誉教授であり、米国訓練開発協会(ASTD)の元会長であるドナルド・L・カークパトリック(Donald L. Kirkpatrick)が発案した学習・トレーニングの評価モデルです。
このモデルでは、学習・トレーニングの方法を「反応」「学習」「行動」「結果」の4つのレベルで評価します。
カークパトリックモデルは発案者のカークパトリックが博士号のための論文をまとめていた1950年代に誕生しましたが、彼の死後もカークパトリックパートナーズ(Kirkpatrick Partners)によってその手法は受け継がれ、刷新されています。
カークパトリックモデルの4つのレベル
上述のとおり、カークパトリックモデルでは、学習やトレーニングの方法を「反応」「学習」「行動」「結果」の4つのレベルで評価します。ここからは、これら4つのレベルについて解説していきます。
反応
カークパトリックモデルの1つ目のレベルは「反応」です。
このレベルではトレーニングを受けた人が、そのトレーニングを魅力的で、好意的で、自分の仕事に関連していると感じるかどうかを調査します。
この調査は「スマイルシート」とも呼ばれ、以下の4点に注目します。
- プログラムの目的
- コース資料
- コンテンツの関連性
- ファシリテーターの知識
学習
カークパトリックモデルのレベル2は、学習者が意図した知識、スキル、態度、自信、およびトレーニングへのコミットメントを基に、各参加者の学習効果を測定します。学習は公式および非公式の両方の方法で評価でき、正確さと理解度を特定するために、学習前から学習後を通して評価する必要があります。
この学習の評価では、試験や面接が用いられます。
行動
カークパトリックモデルのレベル3は、行動を評価し、参加者が学習によって本当に影響を受けたか、参加者が学習した内容を適用しているかを測定します。
行動の評価をすると、職場内の問題が明らかになることもあります。学習者の行動に変化がない場合は、トレーニングが効果的でなかったことを意味するだけではありません。学習者が所属している組織に何らかの問題があり、体得したスキルを活かせないのかもしれません。
結果
カークパトリックモデルのレベル4では、結果の評価をします。つまり、トレーニングを実施するに際して目標としていた効果を上げられているかを測定します。
KPIなどの指標を用いて、学習の効果を測定していきます。