ロードマップとは何か?プロジェクトロードマップとプロダクトロードマップの違い、作成方法について解説

2022年6月7日

ロードマップの概要

ロードマップとは、定められた目標を達成するまでに行うべきことを時系列順にまとめた計画案のことです。目標達成までの道筋として図や表でまとめられることが多く、プロジェクトメンバーが目標や期限、課題を共有するための資料としても活用されます。
システム開発やソフトウェア開発だけでなくビジネス全体においてロードマップが用いられており、社内向けの資料としてだけでなく、クライアント向けの社外用資料としても参考にされます。

ロードマップとマイルストーンとの違い

ロードマップに似た言葉にマイルストーンがあります。
マイルストーンとは通過点を意味するものであり、プロジェクトを完遂するために重要となる中間地点のことを指します。マイルストーンを設定することでプロジェクトの進捗状況が把握しやすくなり、目標に向かってスムーズに進めることができるようになります。
ロードマップとマイルストーンの違いは、ロードマップが目標達成のための計画を立案するのに対して、マイルストーンは計画が上手くいっているかの指標として使われることです。

マイルストーンについては下記の記事もご参照ください。

プロジェクトロードマップとプロダクトロードマップ

ロードマップと表現されるものとして「プロジェクトロードマップ」「プロダクトロードマップ」の2種類のロードマップがあります。それぞれのロードマップの違いは以下の通りです。

プロジェクトロードマップ

プロジェクトロードマップは、プロジェクトの全体を時系列に描いたものとなります。プロジェクトの成果物や目標、主要なマイルストーンなどを記載し、プロジェクト全体に関する計画を行うものとなります。一般的にロードマップと呼ばれるものは、プロジェクトロードマップを示しています。

プロダクトロードマップ

プロダクトロードマップは、製品開発時に用いられるロードマップです。作成する製品の方向性や優先順位などを策定し、開発計画について記載します。

ロードマップの目的

ロードマップを作成する目的・利点としては、プロジェクトメンバーが目指すべき目標を共有しやすくなる点が挙げられます。
目指すべき目標が明確になることでチームメンバーが同じ方向に向かうことができます。また、計画進行中でもすぐに目標を確認できるため、横道に逸れることなく進めることができます。プロジェクトを進める上での細かい計画として、マイルストーンやスケジュールを決めやすくするためにもロードマップは有効であり、プロジェクトに携わるメンバーやユーザー間での状況共有としても活用が見込まれます。

ロードマップの作り方

ロードマップの作成には次の6つのポイントを押さえて作成することが重要となります。

目標を設定する

まず始めに達成したい目標を明確にします。「売り上げを伸ばす」といった漠然とした目標ではなく、「前年より〇%アップ」といった具体的な目標や、ユーザーの要望を満たすための目標が該当します。プロジェクトの規模が大きい場合は、重要となるマイルストーンを定めておくことも大切です。

目標の達成時期を設定する

目標を明確化した後は、目標に対する達成時期の設定を行います。設定した目標によって達成時期は異なりますが、成果物の納期や売上達成までの期間が該当します。
マイルストーンを設定する場合は、中間目標としての期限を定めて進捗確認を行うことも有効です。実際に進めていく詳細計画はロードマップを基に作成していくため、実現可能な期間を設定することが大切です。

現状の把握を行う

目標と期限の設定が行えれば、どのくらいの人員や予算が必要なのかを把握できます。プロジェクトに参画する人数や使用できる予算を過去の実績を含めて確認します。数値を用いて客観的に現状把握が行えると、精度の高い分析が行えるとともに参画するステークホルダー(利害関係者)やチームメンバーとの共有にも納得性を持たせることができます。

解決が必要な課題を洗い出す

現状の把握を行うことで、ロードマップで定めた目標への達成が困難であることが判明する場合もあります。目標達成を阻害する課題は何か、どのように解決するべきなのかといった、課題や対応策の洗い出しを行います。また、目標設定に無理があると判断される場合は、実現可能な目標への修正が必要です。

計画を作成する

課題の抽出や対応策の検討を行った後は、具体的な計画を作成していきます。主要なマイルストーンを繋ぎ合わせてプロジェクトの全体像を把握することも重要です。ガントチャートやフローチャートといったプロジェクト管理ツールを用いるのも有効で、計画の全体像を視覚的に捉えることができるようになります。

プロジェクト関係者と共有する

ロードマップが完成した後は、目標設定や成果物の完成(達成期限)までの道のりを、メンバーや関係者と共有します。関係者との共有を行うことで、それぞれの役割を認識させることができ、各自が主体的にプロジェクトに取り組むことができます。また、社内やユーザーへの周知も併せて行っておくことでプロジェクトの概要を認識することができるため、関係者に安心感を持たせることができます。

ロードマップを作成する際の注意点

ロードマップを作成する際、分かりやすく作成しようと細かく書きすぎてしまうことがあります。ロードマップの目的としては、プロジェクトの全体像を記載するものとなりますので、あまり細かく書きすぎると全体像を掴みにくくなってしまう恐れがあり注意が必要です。
また、明確な基準として目標には数値を入れることをおすすめします。基準が曖昧になってしまうと、目標を達成したかどうかの判断が難しくなってしまうため、目標設定に数値を入れることで客観的に判断できるようにすることも大切です。

参考