ヒストグラムとは何か?ヒストグラムの6つの種類と棒グラフとの違い、活用シーンを解説

2021年8月3日

ヒストグラムの概要

ヒストグラムとは、対象のデータを区間ごとに区切り、各区間の数値のばらつきを棒グラフに似た図で表現したグラフのことです。品質管理手法である「QC七つ道具」の一つで、数値で集めた度数分布表を視覚的に分かりやすく表現することができ、商品やサービスの品質を保つための分析に役立ちます。

ヒストグラムの6つの種類

ヒストグラムは形状によって大きく6つの種類に分類され、呼び名が定められています。形状によってそれぞれ特徴も異なりますので、各ヒストグラムについて確認してみましょう。

一般型(左右対象型)

一般型(左右対象型)のヒストグラムの画像

一般型(左右対象型)は、ヒストグラムの中で一番キレイなグラフで、中心部の数値が多く左右対称に広がっていることが特徴です。工程が安定状態のときに見られる形となっています。

ふた山型

ふた山型のヒストグラムの画像

ふた山型は、分布の中心付近の数値が少なく、左右の数値が多くなっている形です。平均値が異なる2つの分布が混在している、もしくは間違ったデータが設定されている可能性が高いグラフです。カテゴリごとにデータを区分けしてふた山になる原因を調査する必要があります。

歯抜け型(櫛歯型)

歯抜け型(櫛歯型)のヒストグラムの画像

歯抜け型(櫛歯型)は、ヒストグラムがキレイな山ではなく、デコボコした山の形になるのが特徴です。データが少ない場合や、区間の幅(目盛り)を狭く設定している場合にこの形になることがあります。データの採取方法やヒストグラムの作成方法を再検討しましょう。

右すそ引き型

右すそ引き型のヒストグラムの画像

右すそ引き型は、一般型(左右対象型)の左に寄っているような形をしています。下限が抑えられている傾向があり、ある値以下を除いた場合などの異常が考えられます。

絶壁型

絶壁型のヒストグラムの画像

絶壁型は、ヒストグラムの山が中心よりも左右のどちらかに極端に寄っているのが特徴です。全数検査で不良品を選別し、規格外の製品を除いた場合に発生します。選別方法を見直す必要があります。

離れ小島型

離れ小島型のヒストグラムの画像

離れ小島型は、ヒストグラムの右端、もしくは左端に離れ小島があるのが特徴です。測定に誤りがあった場合や異なったデータの混入があった場合に発生します。

ヒストグラムと棒グラフの違い

ヒストグラムと棒グラフは見た目が似ていますが使用する目的が異なります。棒グラフはそれぞれの数値が独立しており、数値ごとの比較を行う際に活用しますが、ヒストグラムはすべての数値が集まることで一つの意味のあるデータ(度数分布)を表現します。

ヒストグラムの活用シーン

ヒストグラムを分析することによって、データの最適性を判断する材料を増やすことができます。会議やプレゼンなどでは、数値だけでなく、ヒストグラムのようにデータを可視化することで、聞き手に内容が伝わりやすくなりますし、商品やサービスの品質管理や評価基準の適正などを分析する際にも活用することができます。