管理図とは何か?品質管理に使われるQC7つ道具の1つ
管理図の概要
管理図とは、ある製品の製造工程が安定して稼働しているのかを把握するために欠かすことができない図法で、「QC7つ道具」の1つに数えられます。製品の品質にロット毎でバラつきがあるかを判別する際に使用することが多いです。
管理図は製造工程を安定稼働させるために上限と下限の限界値(Limit Lines)を設定します。この限界値を超えた場合や下回った場合は、工程に異常が出たとみなして、適切な処置を行わなければいけません。
管理図を活用するメリット
製造現場で管理図を使用すると、どのような効果が得られるのでしょうか?
ここからは、管理図を活用するメリットについてご紹介します。
製造工程の稼働状況を把握できる
管理図を使用すると製造工程が安定稼働しているかを把握できることが最大のメリットです。限界値を超えた異常値が出た場合は、製品の製造を止めて、異常が出た原因を突き止めていきます。
製造工程能力を高められる
製造現場では、生産数量に対しては生産能力、製品品質に対しては工程能力と表現します。この工程能力を高めることは、品質管理の目標として定められることが多いです。そのため、管理図を使用して、前月と比較して工程能力を向上できているのかどうか把握することができます。
製品の品質の合否判定が行える
管理図を使用すれば、規格限界のロットを発見することができ、品質が合格基準値を満たしているかどうかを把握することができます。その基準値を満たしていない製品は不合格となるため、製品の品質の合否判定が的確に行えます。
管理図の活用方法
管理図は製造工程が安定稼働しているか、製品の品質が一定に保たれているかを把握するために使用するための図です。製造工程の稼働に影響を与える要素とは、どのような要素があるのでしょうか?これらの要素を把握しておかなければ、品質管理は行えません。
製造現場では、製造工程に影響を与える5つの要素を「生産の5M」とも呼ばれます。生産の5Mとは以下の項目のことをいいます。QC7つ道具を使用するためにも、生産の5Mについて覚えておきましょう。
生産の5M
- Man:人
- Method:方法
- Machine:機械
- Material:材料
- Measurement:計測
上記の「生産の5M」に該当する要素が安定していれば、製造する製品や部品のバラツキは発生しにくくなると言われています。
そのため、製造工程で異常が出ている場合は、5Mの要素について管理図でデータ管理しておけば、製造工程のエラーの原因を特定することができるでしょう。