スキルマップとは何か?エンジニアのキャリア形成にも使えるツール

2021年4月14日

スキルマップの概要

スキルマップの例

スキルマップとはチームのスキルを管理する手法の1つです。
多くの場合、スキルマップは縦軸にスキルを、横軸にメンバーの名前を掲載し、格子状に作成していきます。
このことから、スキルマトリックスと呼ばれることもあります。

スキルマップを作成することにより、チームのメンバーがどのようなスキルを持っているのかを明らかにするとともに、各メンバーの課題や今後の目標を明確にすることが可能です。
今回はこのスキルマップの作成方法について解説していきます。

スキルマップの作り方

ここからはスキルマップの作り方を説明していきます。
上述の通り、スキルマップは縦(行)にスキルを、横(列)にメンバーの名前を掲載して作成します。
そのため、スキルマップの作成自体はそこまで難しいものではありません。
スキルマップの作成で重要なのは、必要な情報を揃えるという準備の段階です。
スキルマップの主な必要情報は以下の通りです。

  • チーム・メンバーの氏名
  • スキル
  • 評価

ここからはこれらの項目について解説を加えていきます。

チーム・メンバーの氏名

スキルマップの横(列)にはチーム・メンバーの氏名を書いていきます。
そのまま氏名だけでも問題ないですが、必要に応じて部署などを掲載してもよいでしょう。

スキル

スキルマップの縦(行)には、チーム・メンバーが体得しているか、体得してほしいスキルを掲載していきます。
必要に応じて、大項目・小項目のようなカテゴリー分けをするのもよいでしょう。

評価

縦にスキルを、横にチーム・メンバーの氏名を掲載したら、それぞれのマスに各メンバーのスキル評価を記載していきます。
この評価をどうするかは組織によって異なりますが、例えば以下のような4段階評価がよく採用されます。

  • レベル1:未経験
  • レベル2:初心者レベル
  • レベル3:中級者レベル
  • レベル4:上級者レベル

重要なのは、これらの評価の軸を明らかにすることです。
先ほどの4段階評価で言うと、「どうなったら各レベルになれるのか?」を明記することが大切です。
この評価軸を考えるのがスキルマップで最も難しいポイントであると言えましょう。

例えば「経験年数○○年以上」というように、時間を軸にすることもありますし、「○○個の機能を開発した」というように、対応件数で計測することもあります。
スキルマップを作成する際は、できるだけ公平に評価ができるように、これらの評価基準を設定する必要があります。

スキルマップの活用方法

スキルマップは様々な場面で活用できますが、ここからは主な活用方法を解説していきます。

チーム・メンバーのスキル状況の把握

スキルマップはチーム・メンバーのスキル状況の把握に最適です。
これは特に代わりのメンバーを探さなければならないという時に効果を発揮します。
例えばソフトウェア開発プロジェクトの最中に、実装を担当していたプログラマーが入院し、代わりのプログラマーを探さなければならなくなった時、スキルマップがあれば、入院したプログラマーと同じようなスキルをもったプログラマーを見つけやすくなります。

目標管理

スキルマップは目標管理にも活用することができます。
スキルマップがあれば、例えばスタッフの次期の目標を立てる際に、「このスキルのレベルを上げよう」「このスキルをできるようにしよう」というようなアドバイスをすることが容易になります。
目標を明示できることは、スタッフのモチベーションアップにもつなげられるでしょう。

客観的な報酬の指標

スキルマップは報酬の指標に使われることもあります。
例えばシステム会社であれば、プログラマーから「なぜあいつの給料は自分より高いのか?」というような話をされるかもしれません。
しかし、スキルマップがあれば、「あのプログラマーは君より多くのスキルを持っているから、報酬が高い」という風に、客観的な指標で報酬を議論することができます。

スキルとスキルマップのメンテナンスも大切

今回はスキルマップについてお話ししていきました。
スキルマップはチームのスキル状況がひと目でわかるだけでなく、スタッフの目標管理や報酬の設定にも使える便利なツールです。

スキルは使わなければ忘れていったり、陳腐化していったりします。
「スキルマップでは高い評価を受けているけれども、いざという時に役に立たなかった」ということがないように、定期的に評価をし直すことも重要です。

同様に、スキルマップの項目も定期的に見直さなければ、組織の業務や時代に即していないものになる可能性もあります。

そのため、スキルマップは「作って終わり」ではなく、定期的に項目を見直し、チーム・メンバーやスタッフの評価をし直し、メンテナンスを行うことも大切です。