所要期間見積もりとは何か?スケジュール・マネジメントで用いられる手法を解説

2021年9月9日

所要期間見積もりの概要

所要期間見積もりとは、「プロジェクト内の個々の作業にどれほど時間がかかるか」という見積もりを行うプロセスです。
この際、プロジェクトで利用できることを想定されている資源を踏まえて見積もりを行います。

PMBOKによると、プロジェクトの設計作業が進むにつれて見積もりの精度は上がっていきます。設計が進むほど、見積もりに利用できるデータが正確になるためです。
そのため所要期間見積もりは、設計作業とともに段階的に詳細になっていくという特徴があります。

所要期間見積もりはいつ行う?

PMBOKにおいて、プロジェクトは「立ち上げ→計画→実行→監視・コントロール→終結」という流れでマネジメントされます。これはPMBOKの最も大きな「プロセス群」と呼ばれるものです。
所要期間見積もりが行われるのは、この「計画」部分になります。

またPMBOKでは、プロジェクトマネジメントに必要な知識を10個の分野に分けています。
所要期間見積もりはその中でも「スケジュール・マネジメント」という部分に該当します。

スケジュール・マネジメントとは?

PMBOKのスケジュール・マネジメントの目的は、「プロジェクトを所定期間で完了させること」です。
特に計画時には、プロジェクトを完了させるためのスケジュール作成に注力します。

スケジュールは以下のような流れで作成されます。

  • 作業の前後関係に注目し、論理的な作業の順序を設定する(ネットワーク図の作成)
  • 作業の資源を見積もる
  • 作業の所要期間を見積もる(※)
  • プロジェクトのスケジュールを完成させる

上記の※部分で行われる作業が、所要期間見積もりです。

実行性の高いスケジュールを作るためにも、資源の使用可能時期を把握し、所要期間を詳細に見積もることはとても重要です。

所要期間見積もりのインプット

ここでいうインプットとは、「その作業を行うために事前に必要な情報・成果物」を指します。
所要期間見積もりを行うには、以下のインプットが必要です。

  • アクティビティ・リスト
  • アクティビティ属性
  • 資源に対する要求事項
  • 資源カレンダー
  • プロジェクトスコープ記述書
  • 組織の環境要因
  • 組織のプロセス資産

上記のインプットを利用しながら、所要期間見積もりは行われます。

所要期間見積もりのアウトプット

ここでのアウトプットとは、PMPにおける「プロセスを実行した結果得られる成果物」を指します。

所要期間見積もりの作業を実行した場合、最終的には「作業期間の見込み」が定量的に評価されます。
場合によっては、この見込み期間に幅を持たせることもあります。「○日間で終了する」と言い切るのではなく、「○〜○日間程度で終了する」と表現するということです。
この見積もりも、詳細な情報が入手できるほど精度が上がっていきます。