スケジュールベースラインとは何か?PMBOKの用語を解説
スケジュールベースラインの概要
プロジェクトの進行中、スケジュールが予定通りに進んでいるかの比較基準として使用されるのがスケジュールベースラインです。
プロジェクト全体のスケジュールを捉えているスケジュールベースラインは、「プロジェクトマネジメント計画書」を作成する際にも使われます。
スケジュールベースラインをプロジェクト全体のマスタスケジュールとして扱うこともあります。
「プロジェクトマネジメント計画書」とは
プロジェクトの実行や監視、コントロールや終結の方法について書かれた文書がプロジェクトマネジメント計画書です。
プロジェクトマネジメント計画書は開発の初期段階に作成されるため、作成時に定義できる要素には限界があります。
そのため、「段階的詳細化」が前提とされている文書でもあります。
段階的詳細化
あらゆるプロジェクトは、進行によってすべての情報がより正確かつ具体的になっていきます。
そのため、プロジェクトの進行に合わせて計画書の内容も調整する必要があります。
プロジェクトマネジメント計画書はプロジェクトの途中で変更することが想定されている文書であり、改訂の際はチームメンバーの承認を得ながら計画書の見直しを行います。
マスタスケジュールとは
マスタスケジュールとは、プロジェクトのリリース・リリース後作業・その後のフォローまで含めて、タスクごとにスケジュール化したものを指します。
要件定義や見積もりのときに作成されることが多く、開発計画を詰めていく中でより詳細化されます。詳細化されたマスタスケジュールは、外部委託やメンバーとの共有のために使用されます。
スケジュールベースラインの変更
PMBOKの定義によると、「ベースライン」は正式な手続き以外によって変更されるべきではないとされています。
ベースラインが変更されるのは、たとえば予算が大幅に増加した、納品予定が一ヶ月後倒しになったなど、プロジェクトの根底が変化するような事態が発生したときに限られます。
プロジェクトの根幹に影響するため、ベースラインの変更は「ベースラインの再設定」と表現されることもあります。
ベースラインを変更する際は、「コンフィギュレーションマネジメント計画書」の指示に準拠しなければなりません。
スケジュールのチェックポイント マイルストーン
スケジュールベースラインにおいて重要なのが、プロジェクトの進行中にベースラインと現状を比較するタイミングであるチェックポイントの設定です。これをマイルストーンと呼ぶこともあります。
基本的には定例会議などの形で設けられ、プロジェクトの目的や性質に合わせて、会議の頻度や回数が決められます。