FMECA(故障モード・影響および致命度解析)とは何か?

2021年7月30日

FMECAとは

FMECAとは「Failure Modes Effects and Criticality Analysis」の略です。
日本語では「故障モード・影響および致命度解析」と呼ばれます。
「FMEA(Failure Mode and Effects Analysis)」すなわち「故障モード影響解析」と呼ばれる解析手法に、さらに「致命度」の観点を加えたものになります。

FMEAとは

上述のとおり、FMECAはFMEAという手法に致命度を加えた手法です。
FMEAとは、システムなどの信頼性を解析する手法の1つで、解析対象の「故障モード」一覧を作り、その中でも上位に影響を与えるモードをランク付けしていく手法です。
故障モードに順位を付けることで、故障の対策を講じる際、優先順位を検討しやすくなります。

故障モードとは

「故障モード」とは、「アイテムにおける故障の様子」を示したものです。
この場合のアイテムは、いわゆる製品やシステムを指します。
物理的な製品の場合、故障にも「断線」「摩耗」「折損」など様々な種類があります。
これらの「故障の状態」を分類したものが「故障モード」です。

すなわちFMEAを簡単に言うと、「故障の分類を一覧にし、影響の強さでランク付けしていく」ということになります。

FMEAの手順

FMEAでは、まず解析対象を選びます。
続いて故障モードを列挙し、その後上位への影響を解析するという流れです。
このように、「下から上への影響」の流れを考えるため、FMEAはボトムアップ型の解析手法とされています。
FMEAとは対照的に、トップダウン型で行われる解析手法である「FTA(フォルトツリー解析)」があります。

FMEAの使用シーン

FMEAは主に設計時や、品質改善を検討する際に使用します。
この場合の設計とは、製品やシステムなどだけでなく、「何らかの作業の工程」など抽象的なものを示すこともあります。
開発前にFMEAによる解析を行うことで、重大な事故や危険を未然に防ぐ効果が期待できます。
 

FMECAとFMEAの違い

FMEAに「致命度」という観点を付け加えたものがFMECAです。
FMECAでは、FMEAで導き出した解析に、さらに「故障モードが発生する確率」を加味します。
これにより、「対策を講じる故障の優先順位」を決定するのがFMECAの大きな目的です。

致命度とは

FMECAが指す「致命度」は様々な観点を持っています。
主に例に挙げられるのは、「危険度」「危険優先度」などです。

危険度

主に「上位への影響の大きさ」×「発生する確率」を示します。

危険優先度

「上位への影響の大きさ」×「発生する確率」にさらに「検知可能性」を加味したものです。

参考

用語

Posted by promapedia