資源の獲得とは何か?PMBOKのプロセスを解説
資源の獲得の概要
資源の獲得は、プロジェクト作業を完了するために必要となるチーム・メンバーや設備、装置、資材などを確保するためのプロセスです[1]PMBOK第6版、328頁。。
PMBOKに沿って資源マネジメントを進めていれば、資源の獲得のプロセスに至るまでに「資源マネジメントの計画」、「アクティビティ資源の見積り」という2つのプロセスを経て、「このプロジェクトはどのような方針で資源を獲得するか」、「どのような資源が必要なのか」が整理されている状態になっているはずです。
これらの情報をもとに、実際に資源を獲得していくことが資源の獲得のプロセスの活動です。
資源の獲得のアウトプット
ここからは資源の獲得のアウトプットを確認し、このプロセスのゴールを明確にしていきましょう。
資源の獲得の主なアウトプットは以下の通りです。
- 物的資源の割当て
- プロジェクト・チームの任命
- 資源カレンダー
- 変更要求
- プロジェクトマネジメント計画書更新版
- 資源マネジメント計画書
- コスト・ベースライン
資源を獲得するプロセスでは、プロジェクトに必要な資源を実際に獲得していきます。
資源とはプロジェクトに必要なヒト・モノ・カネです。
これらの資源を獲得するプロセスを経て、物的資源の割当てが可能になり、人が確保できたことによってプロジェクト・チームの任命ができるようになります。
また、資源が必要となるスケジュールをまとめた資源カレンダーに、より詳細な情報を記述することも可能となります。
この他、これまでに作成した資源マネジメント計画書やコスト・ベースラインに変更が必要であることが分かった場合は、変更要求を出し、これらの文書の更新を行います。
資源の獲得のインプット
資源の獲得のプロセスを進めるにあたって、材料となるインプットは以下の通りです。
- プロジェクトマネジメント計画書
- プロジェクト文書
- プロジェクト・スケジュール
- 資源カレンダー
- 資源要求事項
- ステークホルダー登録簿
- 組織体の環境要因
- 組織のプロセス資産
ここからはこれらのインプットから何を確認していけばよいのかを解説していきます。
資源マネジメントと調達マネジメントの方針
資源の獲得のプロセスを進める上で確認しなければならないことは、資源マネジメントと調達マネジメントの方針です。
資源マネジメント計画書から資源管理の方針を、調達マネジメント計画書から調達の方針をそれぞれ確認していきます。
どんな資源が必要か
資源を獲得していくにあたって、どんな資源が必要なのかを資源要求事項から確認していきます。
また、ステークホルダーの希望によって、特定の資源を獲得しなければならない場合もあるため、ステークホルダー登録簿から要望や期待を確認していきます。
予算
資源を獲得するといえども、無制限にお金を使うことはできません。
資源を獲得するために使える予算をコスト・ベースラインなどから確認していきます。
資源が必要となるタイミング
資源は必要なタイミングで手元になければ意味がありません。
また、同じ資源であっても、必要な時期によって獲得の難易度が変わったり、必要な金額が変わったりします。
そのため、プロジェクト・スケジュールや資源カレンダーから資源が必要となるタイミングを確認していく必要があります。
資源の状況
これから獲得しようとしている資源が市場でどのような取引をされているのか、どのような場所にあるのかを組織体の環境要因から確認していきます。
組織のノウハウ
資源を獲得するにあたり、獲得のノウハウや、獲得した後の割当てに関するノウハウがないかを組織のプロセス資産から確認していきます。
資源の獲得のツールと技法
資源の獲得で使われる主なツールと技法は以下の通りです。
- 意思決定
- 人間関係とチームに関するスキル
- 先行割当
- バーチャル・チーム
注
↑1 | PMBOK第6版、328頁。 |
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