アーリーアダプターはどうやって見つけるのか?

2024年10月28日

起業のキーであるアーリーアダプター

イノベーションの普及プロセスの画像
イノベーションの普及プロセス(画像はWikipediaより)

起業や新製品開発では、アーリーアダプター(early adopter)を獲得することが大切であると言われています。

アーリーアダプターとは、新しい製品や技術が市場に登場した際に、他の人々よりも早い段階でそれを取り入れる人々のことを指します。

イノベーションが普及する過程を示す「イノベーター理論」において、アーリーアダプターはイノベーター(初期採用者)に続く2番目の層に位置付けられ、全体の13.5%を占めるとされています。

アーリーアダプターは新しいものへの関心が強く、周囲の人々に製品や技術の価値や使い方を伝える役割も果たします。
そのため、企業にとっては貴重なフィードバックを得られる存在であり、口コミやレビューによって製品が広まるきっかけを作る重要な顧客層でもあります。

しかし、このアーリーアダプターを自身の製品・サービスの顧客にするにはどうすればよいのでしょうか?

オタクのいる市場を狙う

「紫の牛」を売れ!

マーケターのセス・ゴーディンは著書『「紫の牛」を売れ!』の中で、アーリーアダプターを探すためには「オタクのいる市場」を狙うことが大切だと述べています[1]セス・ゴーディン(著)、門田美鈴(訳)『「紫の牛」を売れ!』ダイヤモンド社、2004年、105~107頁。

世の中には「○○オタク」「○○フリークス」と呼ばれる人たちがいます。
たとえば「ラーメンオタク」「ラーメンフリークス」と呼ばれる人たちは、新しいラーメン屋がオープンすれば、労を惜しまず新しい味を試してみようとします。

こうした顧客は口コミやレビューで積極的に情報を発信するため、製品やサービスの認知度拡大に貢献してくれます。

このような「オタク」「フリークス」と呼ばれる人たちこそ、イノベーター理論でアーリーアダプターになりうる存在です。
そしてこのような人たちはあらゆるジャンルに存在します。
たとえば「激辛オタク」であったり、「SFオタク」であったりと、枚挙にいとまがありません。

こうした「オタク」「フリークス」のいる市場に製品やサービスを投入することにより、アーリーアダプターを獲得することができます。
そのため、新製品・新サービスを考える際は「私たちはどのようなオタク(フリークス)に喜んでもらえるのか?」を考えるとよいでしょう。

1セス・ゴーディン(著)、門田美鈴(訳)『「紫の牛」を売れ!』ダイヤモンド社、2004年、105~107頁。