「紫の牛」とは何か?マーケティングを不要にするアイデア
紫の牛

「紫の牛」とは、マーケティングの分野でさまざまな著作を出しているセス・ゴーディン(Seth Godin)のアイデアで、常識破りな製品やサービスを意味します。
現代は製品やサービスの情報が氾濫しているため、ユーザーに対して自身の製品・サービスの情報を届けるのは難しくなってきています。こうした状況の中で、自身の製品・サービスの情報をユーザーに届ける費用対効果に優れた方法が紫の牛になることです。
たとえば、牛の牧場に行ったとします。多くの牛がいるため、一頭一頭の牛を意識したりはしません。
しかし、牛の群れの中に紫の牛がいたら、その牛は何なのかを知りたがるはずです。
つまり、ここでいう牧場の牛たちは市場に溢れる製品・サービスであり、紫の牛というのは常識破りの製品やサービスを意味しています。
紫の牛を生み出す方法
セス・ゴーディンは『「紫の牛」を売れ!』の中で、下記の紫の牛を生み出す方法を紹介しています。
- 少数の顧客にアピールする10通りの方法を考える
- もっとも小さい市場を考える
- 製品は外部調達する
- 上得意客に直接語りかける
- ほかの業界のまねをする
- あと一歩進む
- あなたの業界で「まだやっていない」ことを探し出せ
- 「なぜやらないのか?」を自問する
「紫の牛」度を飛躍的にアップさせる秘訣
セス・ゴーディンは「紫の牛」度を高める要素、つまり製品やサービスが注目されるためのポイントを以下のようにまとめています。
- 長持ちするか?
- 見せびらかしたいものか?
- 簡単か?
- クレームを有効活用しているか?
- 安全なものに逃げていないか?
- 使いにくさも、ときには便利
- 「あなただけに」特別なサービスをしているか?
- アフターサービスは万全か?
- オーダーメイドの商品か?
- ユーザーが優越感を持てるか?
- 何かが起こる予感はあるか?
- ニッチ市場にこだわっているか?
- ニッチ市場を見つけたか?
- 誰かが大きなデメリットを被らないか?
- 複雑で特別なものか?
- 人に伝えたくなるものか?
- 楽しげな見世物はあるか?
- 従業員を売っているか?
- ユーザーの執着心をかき立てるか?
- 目新しい狙いはあるか?
- 速さよりも正確さを重視しているか?
- 何か一点でもいい、最高のものを持っているか?
- すぐに修理してくれるか?
- 他の商品性と比べて突出しているか?
- 静けさをもたらすか?
- 安くて満足できる品質か?
- 夢を見られるか?
- 危険なにおいがするか?
- 危険を最小限に抑えられるか?
- 自慢できる危険さがあるか?
- 美男美女か?
- 目立つ服装か?
- 声が美しいか?
- 親身になってくれるか?
- 競争相手のいないところにいるか?
- 感じがいいか?
- すたれるものを見分けられるか?
- 顧客を信頼しているか?
- 評判になるルールはあるか?
- 最高を見つけよう!
参考
- セス・ゴーディン(著)、門田美鈴(訳)『「紫の牛」を売れ!』ダイヤモンド社、2004年