USB2.0とUSB3.0の違いは何か?応用情報技術者試験の問題を解説
情報技術者試験にも出てくるUSBの違い
USB(Universal Serial Bus、ユニバーサル・シリアル・バス)は、コンピューターやその周辺機器の接続するための規格の1つです。
1996年にUSBの規格がリリースされ、2000年にはUSB2.0が、2008年にUSB3.0、2019年にUSB4.0がリリースされています。
これらのUSBの違いについて、応用情報技術者試験では以下のような出題がなされています。
USB3.0の特徴として、適切なものはどれか。
ア)USB2.0は半二重通信であるが、USB3.0は全二重通信である。
応用情報技術者試験 平成30年度春午前12問
イ)Wireless USBに対応している。
ウ)最大供給電流はUSB2.0と同じ500ミリアンペアである。
エ)ピン数が9本に増えたので、USB2.0のケーブルは挿すことができない。
今回はこのような問題を正答できるように、USB2.0とUSB3.0の違いをまとめました。
USBの2.0とUSB3.0の違い
USB2.0とUSB3.0の違いまとめ
応用情報技術者試験に出題された内容に関するUSB2.0とUSB3.0の相違点をまとめると以下のようになります。
USB2.0 | USB3.0 | |
---|---|---|
通信 | 半二重通信 | 全二重通信 |
Wireless USBへの対応 | 対応 | 非対応 |
最大供給電力 | 500ミリアンペア | 900ミリアンペア |
互換性 | あり | あり |
USB3.0の改善点
USB3.0は2008年11月にリリースされました。USB2.0との見た目上の違いは、USB3.0のコネクタ部分(パソコンなどに差し込む部分)が青いことです。
USB3.0がUSB2.0から大きく改善された点はデータ転送速度と言われています。USB3.0のデータ転送速度は最大5Gbit / sで、USB2.0よりも約10倍になっています[1]USB 2.0 vs. 3.0: What’s the Difference and Which One Is Better 。
また、USBは電力も送れることが特長ですが、USB3.0では供給電力もUSB2.0の500ミリアンペアから900ミリアンペアに引き上げられています。
USB3.0とUSB2.0の互換性
USB3.0はUSB2.0用のポートにもつなげることができますが、通信速度などの性能はUSB2.0のものにあわせられてしまいます。
同様にUSB2.0をUSB3.0用のポートにつなげることもできますが、この場合も性能はUSB2.0の性能にあわせる形になります[2]USB 2.0 vs. 3.0: What’s the Difference and Which One Is Better 。
USB2.0がUSB3.0に勝る点
価格
以上のように、USB3.0は多くの点でUSB2.0に勝っていますが、USB2.0のほうが優れている部分も何点かあります。
その1つが価格です。一般的に同性能であればUSB2.0はUSB3.0より安価に入手することができます。
物理的にもUSB3.0のケーブル内のワイヤーはUSB2.0の2倍使用しており、USB2.0が4本なのに対してUSB3.0は8本のワイヤーを使用しています[3]USR :: USB 3.0 Peripherals 。
こうした点からも、そもそもUSB3.0のほうが材料費がかさみ、USB2.0よりも高い値段になることがわかります。
Wireless USBへの対応
USB2.0にできてUSB3.0にできないことの1つにWirdless USBへの対応があります。
Wireless USBはデジタルカメラやビデオカメラなどの大容量のデータを送ることを目的とし、短い距離を結ぶ有線通信であるUSBを拡張して、有線通信の安全性と速度を確保しながら、無線通信の使いやすさを持つ技術規格です[4]Wireless USB – Wikipedia。
このWireless USBはUSB2.0には対応していますが、USB3.0には対応していません。
これはUSB3.0の問題と言うよりも、Wireless USBがWindows Vista以降標準対応していないなど、主流の規格になれなかったことが原因かもしれません。