USB2.0とUSB3.0の違いは何か?応用情報技術者試験の問題を解説

2020年9月15日

情報技術者試験にも出てくるUSBの違い

USB(Universal Serial Bus、ユニバーサル・シリアル・バス)は、コンピューターやその周辺機器の接続するための規格の1つです。
1996年にUSBの規格がリリースされ、2000年にはUSB2.0が、2008年にUSB3.0、2019年にUSB4.0がリリースされています。

これらのUSBの違いについて、応用情報技術者試験では以下のような出題がなされています。

USB3.0の特徴として、適切なものはどれか。

ア)USB2.0は半二重通信であるが、USB3.0は全二重通信である。
イ)Wireless USBに対応している。
ウ)最大供給電流はUSB2.0と同じ500ミリアンペアである。
エ)ピン数が9本に増えたので、USB2.0のケーブルは挿すことができない。

応用情報技術者試験 平成30年度春午前12問

今回はこのような問題を正答できるように、USB2.0とUSB3.0の違いをまとめました。

USBの2.0とUSB3.0の違い

USB2.0とUSB3.0の違いまとめ

応用情報技術者試験に出題された内容に関するUSB2.0とUSB3.0の相違点をまとめると以下のようになります。

USB2.0USB3.0
通信半二重通信全二重通信
Wireless USBへの対応対応非対応
最大供給電力500ミリアンペア900ミリアンペア
互換性 ありあり

USB3.0の改善点

USB3.0は2008年11月にリリースされました。USB2.0との見た目上の違いは、USB3.0のコネクタ部分(パソコンなどに差し込む部分)が青いことです。
USB3.0がUSB2.0から大きく改善された点はデータ転送速度と言われています。USB3.0のデータ転送速度は最大5Gbit / sで、USB2.0よりも約10倍になっています[1]USB 2.0 vs. 3.0: What’s the Difference and Which One Is Better
また、USBは電力も送れることが特長ですが、USB3.0では供給電力もUSB2.0の500ミリアンペアから900ミリアンペアに引き上げられています。

USB3.0とUSB2.0の互換性

USB3.0はUSB2.0用のポートにもつなげることができますが、通信速度などの性能はUSB2.0のものにあわせられてしまいます
同様にUSB2.0をUSB3.0用のポートにつなげることもできますが、この場合も性能はUSB2.0の性能にあわせる形になります[2]USB 2.0 vs. 3.0: What’s the Difference and Which One Is Better

USB2.0がUSB3.0に勝る点

価格

以上のように、USB3.0は多くの点でUSB2.0に勝っていますが、USB2.0のほうが優れている部分も何点かあります。
その1つが価格です。一般的に同性能であればUSB2.0はUSB3.0より安価に入手することができます。
物理的にもUSB3.0のケーブル内のワイヤーはUSB2.0の2倍使用しており、USB2.0が4本なのに対してUSB3.0は8本のワイヤーを使用しています[3]USR :: USB 3.0 Peripherals
こうした点からも、そもそもUSB3.0のほうが材料費がかさみ、USB2.0よりも高い値段になることがわかります。

Wireless USBへの対応

USB2.0にできてUSB3.0にできないことの1つにWirdless USBへの対応があります。
Wireless USBはデジタルカメラやビデオカメラなどの大容量のデータを送ることを目的とし、短い距離を結ぶ有線通信であるUSBを拡張して、有線通信の安全性と速度を確保しながら、無線通信の使いやすさを持つ技術規格です[4]Wireless USB – Wikipedia
このWireless USBはUSB2.0には対応していますが、USB3.0には対応していません。
これはUSB3.0の問題と言うよりも、Wireless USBがWindows Vista以降標準対応していないなど、主流の規格になれなかったことが原因かもしれません。