SoCとは何か?System on a Chipのご紹介

2020年3月15日

SoCとは

SoCとは"System on a Chip"の略で、共通の目的にあわせて様々なコンピュータに必要とされる電子回路を単一の統合チップ(IC)に組み込んだLSIのことです。
SoCではハードウェアとソフトウェアの両方が含まれているため、複数の電子回路を使用するよりも消費電力やスペースが少なくてすみ、パフォーマンスと信頼性が高くなるとされています。
なお、LSIとは"large-scale integrated circuit"の略で、ICに比べてより集積度の高い複雑な回路をおさめた集積回路のことです。

SoCの用途

SoCはスマートフォンからデジタルカメラまで様々な用途で使用されているアイデアですが、今日最も使用されているのがスマートフォンの分野です。
スマートフォンでは通話だけでなく、メールを作成したり、音楽を聴いたり、ゲームをしたりと様々な機能を使用することになります。
そのため、必要とされる機能はできるだけ小型化し、消費電力を減らし、パフォーマンスと信頼性を高める必要があります。
そこでSoCが使用されることとなります。

一般的にSoCで統合されるもの

SoCで統合される電子回路は目的によって変わってきますが、スマートフォンを例にとると、一般的にはCPU、GPU、RAM、ROM、モデムが1つのチップに組み込まれます。

SoCの弱点

上述の通り、SoCは小型化、消費電力の節減、パフォーマンスと信頼性の向上を実現することができるという大きなメリットがあります。
一方で、SoCの弱点はアップグレードができないということです。
SoCでは複数の部品が密接につながって統合されているため、どれかの一部分をアップグレードすることができず、基本的に総入れ替えとなってしまいます。
同様の理由により、どれか1つの部品でも故障してしまえば、統合された機能がすべて使えなくなる可能性が高いです。

システムLSIとの関係

SoCの概念を実現化したものがシステムLSIとされています。
システムLSIでは一般的にマイクロコントローラを含んで組込みシステム製品の主要な電子回路を1チップ程度に集積した半導体素子となっています。
このシステムLSIに内蔵されるソフトウェアは組込みソフトウェアと呼ばれます。

SiPとの関係

SoCと似た用語の中に、SiPというものがあります。SiPとは"System in a Package"の略で、LSIを単一のパッケージに封入してシステム化したものを指します。
先ほど述べたように、SoCには各部品が密接に関わりあってアップグレードができないなどの弱点があるため、単一のチップに組み込むのではなく、最適化された部品をパッケージとしてまとめて使用するというものです。
SoCとSiPは相反するアイデアに見えますが、多くの製品では2つのアイデアを組み合わせて使用します。

参考