SWOT分析とは何か?プロジェクトマネジメントでの使われ方を解説

2020年12月28日

SWOT分析の概要

SWOT分析とは、経営戦略や事業計画などの状態を分析する手法のひとつで、「内部環境」「外部環境」を調査し、この2つの観点から、対象の現状を把握します。
「内部環境」と「外部環境」を調査する際は、それぞれプラスになる点、マイナスになる点を把握しなければなりません。
「内部環境」でプラスの効果を持っているものは「強み」(Strength)と呼び、マイナスの効果を持っているのは「弱み」(Weakness)と呼びます。
「外部環境」でプラスの効果をもたらすものは「機会」(Opportunity)、マイナスの効果をもたらすものは「脅威」(Threat)と呼びます。
これら"Strength"、"Weakness"、"Opportunity"、"Threat"の頭文字を取り、「SWOT分析」と呼ばれています。

SWOT分析の分析手順

SWOT分析のイメージ

ここからはSWOT分析の分析手順を解説していきます。
まず、紙とペンを用意し、紙に2×2の表を書きます。そして、表の左上には「強み」、左下には「弱み」、右上には「機会」、右下には「脅威」を記入していきます。
そうすると、表の左側が「内部環境」、右側が「外部環境」となり、上段が「プラスになる点」、下段が「マイナスになる点」となります。これでSWOT分析の土台が完成しました。

次に、それぞれの表に調査結果を記入していきます。このとき注意すべき点は、「外部環境」から記入していくことです。内部環境は、外部環境の内容によって変動する可能性があるからです。
外部環境とは、「政治」や「経済」、「社会の変化」や「技術の発展」などによって引き起こされるものです。これらによって、分析対象に過去に発生したプラスの現象が「機会」、マイナスの現象が「脅威」となります。
この外部環境の分析方法については、「PEST分析」というものがよく利用されます。
外部環境の記入が完了したら、次に内部環境の記入です。こちらは外部環境よりも比較的簡単に記入できます。ただし、主観的にならず、競合と比較したり、顧客からアンケートを取ったりして、客観的な「強み」と「弱み」を記入してください。
これで「強み」、「弱み」、「機会」、「脅威」の4つすべての記入が完了しました。

SWOT分析の実践

SWOT分析の例

ここからは「お弁当の販売」でSWOT分析の実践例を見ていきましょう。
Aさんは、お弁当屋を経営しています。売れ行きはそこそこ良いですが、もっと売上を伸ばしたいと考えております。
そのために、売上アップの方法を模索しています。
このような時に何も分析せず、ただガムシャラに売上アップの方法を考えても、なかなか成果は現れません。
しかし、SWOT分析で、Aさんのお弁当屋の「強み」と「弱み」、外部環境による売れ行きの変動を考え、現状を理解することによって、売上アップの方法を見つけ出すことができる可能性が高まります。

例えば、Aさんのお弁当の「強み」は「栄養バランスのよいお弁当を提供していること」で、「弱み」は「値段が高いこと」でした。
「機会」は「近隣に会社が増えたこと」、「脅威」は「お弁当を始める飲食店が増えたこと」とします。
こうしてSWOTを明確にして、それぞれを組み合わせて考えてみると、「健康志向をウリに、近隣の会社に宅配サービスを営業する」という新たな市場の拡大方法が見えてきます。

このようにSWOT分析を行うことで、課題や目標に対し、どのような行動を起こせばよいのかが具体的になり、成果を上げやすくなります。また、弱みや脅威を把握することで、売上低下の対応策を講じることもできます。

プロジェクトマネジメントの中でのSWOT分析

プロジェクトマネジメントの中でSWOT分析はリスクの特定で用いられることもあります。
SWOT分析を用いることにより、発見された好機を逃さないようにするだけでなく、脅威や弱みに対処できるかも考えていきます。
リスクの特定については、以下の記事もご参照ください。

参考