SAP社のERPソフトウェアを活用した業務改善方法を解説
業務効率を上げるには、企業全体でデータの共有、連携、統合が必要不可欠です。これらの実現に役立つのがERPソフトウェアです。
ERPソフトウェアを活用することで「販売・生産・在庫・会計」など、企業(Enterprise)の業務情報を統合化して、業務フローの最適化を実現できます。
本記事では、SAP社のERPソフトウェアを活用した業務改善方法について解説します。
企業の業務改善を阻む問題
業務改善の妨げとなっている原因のひとつが、IT環境のサイロ化です。
サイロ化とは、組織や情報が孤立し、共有できていない状態のことを指します。
サイロ化とは
そもそもサイロとは、農産物や飼料、工業原料といった各種物資を貯蔵するための倉庫を指します。
複数のサイロは同じ敷地内にまとめて設置されることが一般的ですが、それぞれのサイロは独立しており、内部で物資が混ざりあうことはありません。
これを企業に置き換えると、企業内の部署や部門がそれぞれ孤立して業務を行っており、部署間では情報共有がなされていない状況となります。
企業内でサイロ化が起こることによって、作業効率の低下や、作業のミスにつながるだけでなく、企業の意思決定が遅くなってしまうなどの問題が生じます。
サイロ化を改善する方法
サイロ化を改善するひとつの方法が、データの統合が可能なERPソフトウェアの導入です。
ERPソフトウェアを導入することで、サイロ化を改善するとともに、情報共有が滞ることを防げます。
SAP社のERPソフトウェアを利用した業務改善方法
SAP(エスエーピー)社は、ERPソフトウェアを開発している企業のひとつです。SAP以外にもOracle社やMicrosoft社などがERPシステムをリリースしていますが、数あるERP製品のなかでも、特にニーズが高いのがSAP社のERPソフトウェアです。
以下では、SAP社のERPソフトウェアを使用した業務改善方法について紹介します。
ERPパッケージ「SAP S/4HANA」でデータを統合する
多岐にわたる部門の情報を一元化するシステムを一から作るには、膨大な時間やコストがかかります。
こうしたハードルの高さを解消するために作られたのが、ERPパッケージです。
ERPパッケージはインストールするだけで、手軽に導入できるメリットがあります。
SAP S/4HANAを活用することにより、サイロ化したデータを統合できます。データを統合する仕組みがあれば、日々のデータ入力や日報作成などの単純作業を自動化できます。
また、情報が一元化されるため、必要な時に必要な情報を取り出せます。各部門から手動で情報を集める必要がないため、作業時間や人件費の削減につながります。
定型業務から解放された時間は、重要な基幹業務に集中できるため、生産性向上にもつながります。
さらに、SAP S/4HANAにはAIに対応した機能も備わっており、機械学習や予測分析機能によって、商品の在庫消費予測や契約数量の予測も可能です。
「SAP Business Technology Platform」でアプリケーションをまとめる
SAP Business Technology Platformは、SAP S/4HANAをコアに、データ活用や、業務プロセスの最適化を実現するためのアプリケーション開発のプラットフォームです。
機能ごとにアプリケーションが分かれていると、タスクの切り替えによって時間をロスしてしまいます。
SAP Business Technology Platformでアプリケーションをまとめることで、ロスなく業務を効率的に行えます。
参考
- SAP Business Technology Platform(2023年1月17日閲覧)
- 情報のサイロ化が生むデメリットとは?発展的解消の方法を解説(2023年1月17日閲覧)
- エンタープライズリソースプランニング (ERP)(2023年1月17日閲覧)