Cisco機器でポートがerrDisableになる原因と解消法
errDisableとは
Cisco機器では、ポートに何かしら問題がある場合、該当のポートを自動でシャットダウンする機能があります。この時の状態がerrDisableです。
errDisableになると、該当のポートでトラフィックの送受信が止まり、Catalystスイッチでは、ポートのランプがオレンジ色に点灯します。
ポートのerrDisableを確認するコマンド
Cisco機器において、ポートの状態は以下のコマンドで確認できます。
show interfaces status
errDisableになっている場合、Statusに「err-disabled」と表示されます。
Port Name Status Vlan Duplex Speed Type
Gi4/1 err-disabled 100 full 1000 1000BaseSX
errDisableになる原因
ポートがerrDisableになる主な原因は以下の通りです。
- 接続するLANケーブルの不良
- EtherChannelの設定ミス
- speed/duplexのミスマッチ
- BPDUガード違反
- UDLD(単方向リンク検出)条件
- リンクフラップの検出
- セキュリティ(port security)違反
- PAgPフラップ
- L2TPガード
- 不適切な GBIC/SFPモジュールまたはケーブル
- アドレス解決プロトコル(ARP)の検査
errDisableの解消方法
以下では、設定の間違いによってポートがerrDisableとなっている場合の原因と解消方法を紹介します。
EtherChannelの設定ミス
対向の機器で設定していない場合や、モードの不一致によってerrDisableとなっている可能性があります。EtherChannelは対向の機器と同じ設定をする必要があります。
以下のコマンドで、EtherChannelに関連するインターフェースがUPしているか、設定しているモードが対向機器と一致しているか確認し、設定が誤っている場合は修正します。
show etherchannel summary
speed/duplexのミスマッチ
機器間でspeedとduplexが異なる場合、errDisableとなります。例えば、一方の機器のポートがfull-duplex、対向先のポートがhalf-duplexの場合は、二重化方式の不統一でポートはerrDisable状態となります。
以下のコマンドで、speed/duplexを確認し、対向機器と設定が一致していない場合は修正します。
show interfaces status
BPDUガード違反
PortFastが有効にされているポートでBPDUが検出されると、スイッチはポートをerrDisableにします。PortFastを設定するポートは直接端末を接続していることが前提です。
該当ポートで「spanning-tree portfast」が有効になっていないか、PortFastが有効になっているポートにPC以外のスイッチが接続されていないか確認します。
UDLD(単方向リンク検出)
UDLDは光ファイバを使用してポートを接続している場合、通信が一方向になっていないか検知するための機能です。単方向リンクを検出すると、ポートをerrDisable状態にします。
以下のコマンドでポートの状態を確認します。
show udld
双方向で問題なく通信できている場合、ステータスは「Bidirectional」と表示されます。単方向リンク障害が発生している場合は、「Bidirectional」と表示されます。単方向リンクとなっている場合は、ケーブル不良やケーブルの接続間違いを疑います。
errDisableステータスからの復旧方法
原因を特定して設定を変更後、以下の手順でポートの再起動を行います。
ポートの確認
以下のコマンドで該当のポートを確認します。
show interface status
「err-disable」となっているポートが該当のポートです。
設定モードに移行
以下のコマンドで特権ユーザーに昇格後、設定モードに移行します。
enable
configure terminal
該当ポートをシャットダウン
以下のコマンドで該当ポートをシャットダウンします。
interface GigabitEthernet1/0/1
shutdown
該当ポートを起動
以下のコマンドで該当ポートを起動します。
no shutdown
設定を終える
以下のコマンドで設定から抜けます。
exit
ポートの確認
以下のコマンドで該当のポートを確認します。
show interface status
該当ポートのステータスが「connected」になっていれば復旧完了です。