ヤマハルータとは何か?導入するメリット・デメリットを紹介
ヤマハルータとは
企業向けのネットワークルータは様々なメーカーで販売されています。ヤマハもルータを販売しているメーカーのひとつです。
ヤマハと聞くと、音響機器やバイクを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、ヤマハは1995年にルータ事業を開始し、法人向けの低廉なルータ市場で多くのシェアを獲得しています。
2002年に発売されたRTX1000は、当時故障の少なさや、高性能さが注目され、拠点向けルータとして大ヒットしました。海外メーカーのルータは価格が高いものが多い中、ヤマハルータの登場により、従来よりもコストを抑えたネットワークの構築が可能になりました。
現在でもヤマハのRTXシリーズは、中小規模企業向けのルータとして多く利用されています。
本記事ではヤマハルータを導入するメリット、デメリットを紹介します。
ヤマハルータのメリット
ヤマハルータの特徴やメリットを紹介します。
壊れにくい
ヤマハのルータは故障率の低さに定評があります。実際に販売を終了した旧機種を今でも利用しているケースも多く見られます。雷や熱への対策にも力を入れており、落雷の多い地域でもヤマハルータだけは壊れないという声もあります。
2021年に発売されたRTX1220の動作環境は、仕様書によると「周囲温度0〜45℃, 周囲湿度15〜80%(結露しないこと)」とされています。これら厳しい動作環境への要件が保たれていることがヤマハルータの特徴です。楽器を作っているヤマハだからこその徹底した品質管理、品質保証がされています。
価格が安い
ヤマハルータは、他社のルータと比べて価格が安いのが特徴です。
これまで高価で大企業向けであったルータ市場に、低価格なルータを提供したのがヤマハです。発売当初は「手軽いルータ」というキャッチフレーズが使われていたそうです。
ヤマハルータを利用することにより、ネットワーク構築費用を抑えられるメリットがあります。
GUI操作が可能
ヤマハルータはGUI操作が可能です。ヤマハのGUIは継続的な見直しが行われており、使いやすさも向上しています。RTX1210以降の機器ではLANマップが備えられており、障害時のメール通知などの機能もあります。
日本語対応
ヤマハルータは、機器の操作画面だけでなく、マニュアル、設定ガイドなどのドキュメントも全て日本語です。インターネットで検索すれば日本語の解説サイトや設定例が多く見つかるため、設定に困った時でも自力で解決しやすいメリットがあります。
micro SDカードやUSBメモリが利用できる
ヤマハルータは、micro SDカードやUSBメモリに設定を保存することも可能です。万が一のバックアップとして外部メモリを利用できるメリットがあります。
ヤマハルータのデメリット
ヤマハルータのデメリットを紹介します。
利用できない機能がある
ヤマハルータでは利用できない機能がいくつかあります。例えばヤマハルータでは、STP(Spanning Tree Protocol)という機能が利用できません。
STPは冗長構成になっているネットワーク内での、ブロードキャストストームなどのループを回避するためのプロトコルです。ヤマハルータでは、STPが利用できないため、ループ構成に十分注意する必要があります。
Ciscoとコマンドが異なる
企業のネットワーク構築でよく利用されるのがCisco製のルータです。ヤマハルータはCiscoのルータとコマンドが異なるため、最初は戸惑うかもしれません。特にインターフェースの表記がCiscoやHPなど大手メーカーと異なるため、注意する必要があります。