コールドデータとホットデータの違いは何か?コールドデータの保存に特化したコールドストレージについても解説

2022年6月13日

コールドデータとは

コールドデータとは、アクセス頻度の低いデータのことです。
企業には、契約書や過去の会計帳簿など、日常的にアクセスしないデータが多くあります。それらのデータは、法律によって一定期間保存することが定められている場合もあります。
事件が起こった際に利用される監視カメラの映像や、入退館記録などもコールドデータに分類されます。

ホットデータとの違い

コールドデータと対に使われる用語がホットデータです。ホットデータは、アクセス頻度の高いデータのことです。
頻繁にアクセスされるため、データの保存や読み込みなどのレスポンスが速いストレージにデータを保管する必要があります。

データ管理の課題

企業が抱えるデータ管理の課題は、データ増加によるコストの増加です。
扱うデータが増えると、データを保存するストレージ容量の不足が起こります。これを解消するために、ストレージを追加すると、その分コストもかかります。また、導入や運用のコストがかかるだけでなく、数年おきにリプレースも必要です。
これらの課題を解決するためには、適切なデータ管理と、ストレージの選定が重要です。

データの管理方法

膨大なデータを管理するためには、データを使用頻度によって分類し、それぞれ適切に管理することが重要です。
以下では、ホットデータとコールドデータの管理方法について詳しく説明します。

コールドデータ

アクセス頻度の低いコールドデータは、アーカイブで保存します。
アーカイブは、データを切り離し、長期的に保管する行為を指す言葉です。
稼働中のシステムやサーバーなどのストレージから切り離し、光ディスクや磁気テープなど外部のメディアに保管します。基本的にデータの上書きは行いません。
今後編集されないデータはアーカイブでの保存が適切です。

ホットデータ

アクセス頻度の高いホットデータは、バックアップで保存します。
バックアップは、稼働しているデータをコピーして、メディアに保存する行為を指す言葉です。
バックアップの目的は、日常的に利用しているデータの破損や損失に備えてコピーを保存することです。

なんらかの障害でデータが消えてしまった場合でも、バックアップからデータを復元することが可能です。バックアップでは、定期的に差分や、増えた分を上書き保存していきます。

コールドデータの保存に特化したコールドストレージ

データ増加の問題を解決策として注目されているのが、コールドストレージです。
コールドストレージは、長期的に使用しないデータを保存することに特化しています。

コールドストレージに向いているメディア

以下では、コールドストレージとして使用するのに向いているメディアと特徴を説明します。

磁気テープ

磁気テープの特徴は、データ保存容量が大きく、容量当たりの価格が安いことです。オフラインでデータを保管できるため、ネットワーク経由での攻撃を受ける危険が少ないことも特徴です。

カセットテープやビデオテープと同様で、樹脂でできたテープに磁気でデータを記録します。

光ディスク

光ディスクの特徴は、光や熱、温度による影響を受けにくく、劣化に強いことです。最近では、耐久性を高めた長期保存用の光ディスクも登場しています。

磁気ディスク

磁気ディスクの特徴は、データの保存容量が大きく、データ処理のスピードが速いことです。
一方で、水や静電気に弱く、故障時にデータ復旧が難しいというデメリットがあります。
処理スピードが速いことから、従来はホットデータの保存に使われることが多いメディアでした。
近年、大容量化が進んでいることから、コールドストレージへの利用が期待されています。

オンラインストレージ

オンラインストレージの特徴は、災害などによるデータ損失に強いことです。データは、外部のデータセンターに保管され、万が一の場合でも、データが消失することはありません。
最近では、データ保存容量が大きく、導入コストが安いコールドストレージ向けのオンラインストレージが登場しています。

コールドストレージのメリット

コールドストレージを利用するメリットを紹介します。

データ保管コストを抑えられる

ストレージは、容量や速度に比例して価格が高くなります。アクセス頻度の低いコールドデータは、ストレージ速度が遅くても問題がありません。低速で安価なストレージを利用することで、データ保管コストを抑えられます。

ストレージ容量の不足を解消できる

日常的に使用するホットデータの保存にはHDDやSSDを使用します。これらのメディアは増設が難しいのが特徴です。
しかし、コールドデータの場合は、データを切り離して容量の増やしやすい外部のメディアに保存することが可能です。データが増えても、保存先のメディアを増やすことで、簡単に容量不足を解消できます。

参考