ステアリングコミッティとは何か?ステコミの意味と役割を解説

2020年3月26日

ステアリングコミッティとは

ステアリングコミッティとは、運営委員会のことです。ステコミと略されることもあります。
ステアリングコミッティは英語の"steering committee"から来ていますが、"steering"が操舵、つまり船などの舵取りを意味しており、"committee"は委員会を意味しています。
つまり、"steering committee" を直訳すれば「舵取りの委員会」となりますが、運営委員会と言い換えても差し支えないでしょう。
通常、ステアリングコミッティは組織の最終責任者で構成されます。

ステアリングコミッティの目的と役割

ステアリングコミッティの目的

ステアリングコミッティを設立する目的には様々なものが挙げられますが、例としては以下のようなものがあります[1]Steering Committees – What Are They and What Do I Need to Know? を参考に作成。

  • プロジェクトの主な主導者としての役割を果たす
  • プロジェクトの利益を定義および測定する方法を確立する
  • プロジェクト計画への変更のレビュー
  • プロジェクト計画の策定
  • ワーキンググループの作成
  • 人、お金、その他のリソースの使用を適用または制限する
  • リスクへの解決策を提案
  • プロジェクト計画に対する進捗状況の監視
  • メンバー間の紛争の解決

このように、ステアリングコミッティの目的はプロジェクトの運営のための様々な判断を行い、プロジェクトの舵取りをしていくことです。

ステアリングコミッティの役割

先ほどのステアリングコミッティの目的を分類していくと、ステアリングコミッティの役割は「プロジェクトの主導者」「プロジェクトの計画者」「プロジェクトの管理者」という3つにまとめられるかと思います。
ここからは、これら3つのステアリングコミッティの役割の中身を見ていきましょう。

プロジェクトの主導者としてのステアリングコミッティ

ステアリングコミッティの大きな役割として、プロジェクトの主導者というものが挙げられます。
つまり、プロジェクトの方針を決め、意思決定をしていくことがステアリングコミッティの重要な仕事として挙げられます。
プロジェクトの中ではプロジェクト・マネジャーだけでは判断ができない事項が山ほどでてきます。
その際に、プロジェクト・マネジャーの意思決定を支援し、プロジェクトをよりよい方向に進めていくようにすることがステアリングコミッティの役割です。

プロジェクトの計画者としてのステアリングコミッティ

ステアリングコミッティの役割にはプロジェクトの計画者としての役割もあります。
例えば、プロジェクト計画書を作成していったり、プロジェクトをともに進めていくワーキンググループを編成したりと、プロジェクトを進めるための様々な計画を立てていきます。

プロジェクトの管理者としてのステアリングコミッティ

ステアリングコミッティの役割として最後に挙げるのはプロジェクトの管理者としての役割です。
プロジェクトを成功に導くには計画した事柄が実際に円滑に進んでいるか監視することも大切です。
例えばプロジェクト計画で立てたスケジュールに遅延が発生していないか確認したり、予算が超過していないか確認していくことが管理者としての仕事として挙げられます。
それだけでなく、メンバー間にトラブルがあった場合はその調停者となって、紛争を解決していかなければなりません。
このように、プロジェクトだけでなく、プロジェクト・チームを上手くマネジメントしていくこともステアリングコミッティの役割と言えるでしょう。

定例ミーティングとの違い

ステアリングコミッティは一見して月例ミーティングや週例ミーティングなどの定例ミーティングと同じように感じます。
しかし、ステアリングコミッティと定例ミーティングでは問題意識が異なっています。
定例ミーティングは「プロジェクトを進行させるためには定期的にあつまる必要があるよね」という意識からメンバーが招集されています。
こうした定例ミーティングでは、議題は主にプロジェクトの進捗確認になってしまいます。プロジェクトの定点観測にはいいかもしれませんが、定例ミーティングではプロジェクトの問題の発見ができなかったり、問題への対処が後手に回ってしまうことがあります。
一方でステアリングコミッティは「プロジェクトを成功させるために、プロジェクト・マネジャーにはどのようなサポートが必要なのか」を問題としています。
そのため、ステアリングコミッティにメンバーが召集されるタイミングは一定ではありません。しかし、プロジェクトの問題を解決することに力点が置かれるため、プロジェクトの失敗を未然に防ぐことができます。

参考

役割

Posted by promapedia