プロジェクトのイニシエーターとは何か?プロジェクト・マネジャーとの違いを解説

2020年8月21日

イニシエーターの概要

プロジェクトマネジメントの中で使われるイニシエーターとは、プロジェクトの発起人や創始者を指す言葉です。

もともとイニシエーター(initiator)とは、化学反応を引き起こしたり、爆発を引き起こしたりするものを指す言葉です。
その言葉が転じて、プロジェクトを提案し、その始動のために率先して行動する人のことをイニシエーターと呼ぶことが多くなっています。

イニシエーターの役割

イニシエーターはプロジェクト・マネジャーなのか?

プロジェクトによっては、イニシエーター自身がプロジェクト・マネジャーの役割も担うということも少なくありませんが、イニシエーターがプロジェクト・マネジャーにならなければならないということはありません。

例えば、自社の採用活動を改善しようとしている人物が、あまり詳しくないシステム導入を考えている時、企画は自分が行うものの、実際のプロジェクトマネジメントはシステムに詳しい人物に任せるということはよくある話です。

あくまでイニシエーターとはプロジェクトの発起やその準備を行う人のことを指します。

プロジェクト開始までの流れ

イニシエーターの役割をまとめた画像

イニシエーターが発案し、プロジェクトが開始されるまでの流れは以下の通りです。

  1. イニシエーターがプロジェクト憲章・企画書を作成する
  2. イニシエーターがプロジェクト・マネジャーの候補に声をかける
  3. スポンサーがプロジェクトを承認する

イニシエーターはその他のステークホルダーなどと協力しながらプロジェクト憲章企画書を作成し、その中でプロジェクト・マネジャーを選定し、候補者に声をかけます。
ここですんなりとプロジェクト・マネジャーへの就任を承諾してくれたらよいのですが、プロジェクトの内容や与えられる権限でリクエストがあるかもしれません。
イニシエーターはこのような声をプロジェクト憲章や企画書に盛り込み、内容を調整していきます。

できあがったプロジェクト憲章は、スポンサーやそれに準ずるステークホルダーに承認を得て、初めて実施されます。
スポンサーというと、外部の人間がイメージされますが、プロジェクトに資金提供を行う個人やグループを指します。
中小規模の会社であれば社長がスポンサーの役割を担うことが多いですし、大企業であれば部や課の予算からプロジェクトの資金を割く部長や課長がスポンサーの役割を担います。
プロジェクトの承認者はプロジェクトの保証人とも言え、最終的な責任者となります。
そのため、プロジェクトが失敗した際には一番責任が追及される存在であるため、スポンサーはイニシエーターが持ってきたプロジェクト憲章や企画書の内容をつぶさに確認し、イニシエーターに内容の修正を求めるのが常です。

このように、イニシエーターはプロジェクト・マネジャーの候補者とスポンサーの意見も取り入れながら、プロジェクト憲章や企画書を作成していきます。
時にはプロジェクト・マネジャーの候補者の意見とスポンサーの意見が対立することもあるでしょう。
そのため、イニシエーターは両者が納得いくような妥協点を見出し、間を上手く取り持つ必要もあります。

このように、プロジェクトは開始するまでにもさまざまな困難が待ち構えていますが、イニシエーターと呼ばれる人たちはプロジェクトの起爆剤として、エネルギッシュな行動を起こしていきます。

役割

Posted by promapedia