大谷翔平選手も実践したマンダラチャートとは何か?~『マンダラ思考で夢は必ずかなう! 「9マス発想」で計画するマンダラ手帳術』より~

2023年3月14日

動画でも解説しています

マンダラチャートについては動画でも解説していますので、ぜひご覧ください。

マンダラチャートとは

大谷選手の「目標設定シート」として有名

マンダラチャートは、1979年に経営コンサルタントの松村寧雄が開発した、問題解決や目標達成に使われる思考ツールです。
このツールは、二刀流で有名なメジャーリーガー・大谷翔平選手が、高校生時代に書いた「目標設定シート」として広く知られるようになりました。

マンダラチャートの基本形は3×3の9マスを使います。真ん中にテーマや目標を書き、その周囲の8マスにテーマに対する項目を書いていきます。

仏教の「曼荼羅」との関係

マンダラチャートのマンダラは、仏教の「曼荼羅」に由来します。
曼荼羅は、仏教の教えをわかりやすく絵で表現しています。曼荼羅にはたくさんの種類があり、宗派などによってもそれぞれ違いがあります。しかし、基本的な構図はマンダラチャートと同様に、真ん中に核となる仏が描かれ、その周囲に他の仏が描かれています。この曼荼羅は、救済や仏の世界を表わしています。

この難しい仏教の教えを視覚的に表現した「曼荼羅」をもとに作られたのが、「マンダラチャート」です。
頭の中で考えているだけでは複雑になる思考を視覚的に表わし、整理する手助けをしてくれます。

マンダラチャートを書くメリット

それでは、マンダラチャートがもたらすメリットを次から詳しくご紹介します。

バランス思考が得られる

マンダラチャートでは、真ん中のテーマを中心として、周囲に8つの分野を設定します。
たとえば、自分の人生で達成したい目標を中心に書くとします。そうすると、目標となる分野は、おそらく1つでは足りないでしょう。仕事や家庭、健康と次々浮かぶはずです。
これらを8つのマスに書いていくことで、1つの目標のみに偏ることなく、バランス良く全体を見ることができるようになります。これがバランス思考です。

自分の能力を引き出す

マンダラチャートは、自分の中にある能力を引き出す手助けをしてくれます。
考えた内容や発想を紙に書き出してみてください。頭の中で考えるだけでは、思いつかなかったアイデアが湧いてくるのを実感できるはずです。紙に書くことで、思考がつながり、連想が働くため、アイデアが浮かんできます。
また、マンダラチャートのマス目を使うことで、自ずと中心のテーマからずれることなく、発想を展開していくことができます。

アイデアが生まれる

重要なひらめきは、常にテーマや問題について、アンテナを張るところから生まれます。
落ちるリンゴを見て、万有引力を発見したといわれるニュートンのように、重大な発見をしてきた先人たちは、日ごろから問題解決のためのテーマを突き詰めて考えています。

マンダラチャートは、常にアンテナを張るためのツールになります。曼荼羅と同様に視覚的な効果を発揮するのです。中心にテーマがあることで、無意識のうちに自分の中でそのテーマを意識します。そうすると、ヒントに出会った際に「これだ!」とすぐに反応することができるようになります。

頭の中が整理できる

人の思考は、普段は頭の中にしまいこまれていて、必要な時に必要なものを取り出そうとします。しかし、思考は複雑に絡まり合っていて、簡単に取り出すことができません。これを解決してくれるのが「マンダラチャート」です。

どのようなことでも、文章だけで説明されたものより、図があった方が理解がしやすくなります。
それと同じで、頭の中にただあるだけだった思考を、マンダラチャートによって図解することで理解を深めることができます。マンダラチャートで視覚的に全体を見渡し、物事のつながり、関係性を整理することができます。

マンダラチャートの構造

それでは実際の構造について詳しく見ていきましょう。マンダラチャートには2つの種類があります。

A型チャート

マンダラチャートのA型チャート

A型チャートは、マンダラチャートの基本形です。

真ん中に、解決したい問題や、達成したい目標をテーマとして設定します。アルファベットはマスを埋めていく順番を表わしていますが、必ずしもこの順番でなければいけないわけではありません。
このA~Hは、仏教の曼荼羅に倣った順番になっています。

B型チャート

マンダラチャートのB型チャート

先に紹介したA型チャートを発展させたものがB型チャートです。大谷選手が書いていたものがこちらです。
これはA型チャートを9つ並べ、A~Hに書いた項目をそれぞれ掘り下げて考えていくためのチャートです。

もととなるA型チャートの周りに8つの同じチャートを並べ、Aエリアに書いたものを、今度は外側のチャートの中心に書きます。それをまた8つの項目に分ける、という手順で書き進めていきます。

マンダラチャートの使い方2つ

マンダラチャートは大きく分けて2つの活用方法があります。

問題解決

マンダラチャートの使い方その1

1つ目は問題解決です。中心に課題を据え、周囲のマスにはその課題を解決する方法や手順を記載していきます。問題が整理され、解決のための道筋が見えてきます。

目標達成

マンダラチャートの使い方その2

もう1つは目標達成のための活用です。計画が立てられ、目標へと向かうことができます。
まず中心に目標を書き、周囲のマスには目標達成に必要なこと、やるべき項目を書いて、マス目を埋めていきます。つまり、中心が大目標、周囲が中目標、小目標とするイメージです。この周囲のひとつひとつの項目を達成することで、中心の大目標に到達することができます。

書き方のポイント

マンダラチャートを書く時に、重要となるポイントを3つご紹介します。

具体的に書く

抽象的に書いてしまうと結局なにをすべきか明確にならず、行動に移せないため、目標達成が遠のいてしまいます。すぐに行動を起こせるように、必ず具体的に書くように注意しましょう。

なるべく数字を入れる

数字で表わせるものは数字で記入しましょう。たとえば、資格試験の勉強をするのであれば、「1日に2時間は勉強時間を取る」といった内容です。「毎日勉強する」だけでは抽象的なので、数字を含めましょう。

期日を決める

これは目標達成のチャートを書く際に特に重要です。達成までの期日を明確にしておくことで、今どこまでできていなければならないのかが、はっきりします。「いつか達成したい」と漠然と思っているだけでは、いつまでも行動に移せないのです。

マンダラチャート活用のコツ

書き方の注意点を説明しましたが、重要なのは書き方だけではありません。

常に見えるようにする

完成したマンダラチャートは、目につくところに置いておきましょう。書いたら大切にしまいこんでおくのはもったいない使い方です。自然に目に入るよう、スマートフォンの待ち受け画面にしたり、トイレの壁に貼ったりして工夫します。
マンダラチャートの効果は、意識することで発揮されます。何度も目にすることで、目標や課題を自分に意識させて、自分に刺激を与えましょう。

定期的に振り返る

マンダラチャートは、1回書き終えたら終わりではありません。書き終えたら、定期的に見直す日を作って、自分の現在地を確認します。振り返るタイミングは人それぞれですが、週に1回や月に1回など、習慣にしてしまうと良いでしょう。
振り返りを行って、今どこまで達成できていて、あとどれくらいの道のりがあるのかを確認します。さらに、マンダラチャート自体を修正することもできます。マンダラチャートは何度書き直しても構いません。後から、「これも必要だ」と気づくこともあります。そんな時は、どんどん書き直してブラッシュアップしていきましょう。

まとめ

頭の中で考えるだけでは、漠然としていることも、マンダラチャートを使うことで、課題や目標を明確にできます。やるべきことが明確になれば、あとは実践あるのみです。ぜひマンダラチャートを使って、目標を達成しましょう。

参考

書籍

  • 松村剛志『仕事も人生もうまくいく!【図解】9マス思考マンダラチャート』青春出版社、2018年

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