ヘッダービディングとは何か?ヘッダービディングとウォーターフォールとの違いも含めて解説

2021年3月24日

Web広告の「ヘッダービディング」手法

ヘッダービディングとは、Webサイトの広告枠の選定に際し、入札単価の高い広告が広告枠を入手するという手法で、オークション形式の一種です。
ビディング(bidding)とは「入札」や「競り」を意味する言葉です。そのため、ヘッダービディングを直訳すると「第一入札」という意味になります。

昨今の多くのWeb媒体には広告枠が存在します。Webサイトのフォーマットを提供している企業によるものや、Webサイトの運営者が自力で設置したものなどさまざまですが、広告枠には基本的に外部の企業による広告が表示されます。
1つの広告枠に対し、複数の企業が広告を表示したいことがあります。しかし基本的に1枠には1広告しか表示できないため、多数の広告から1つに絞って表示しなければなりません。
「複数の企業から1つの広告に絞る」仕組みとして近年注目されているのがヘッダービディングという手法です。

ヘッダービディングとは、Web媒体を提供している企業が、広告を発行する複数の企業に同時に広告枠を提示する仕組みです。
このとき複数の企業から同時に広告の提供が起こりますが、ヘッダービディングではその中から「より広告の単価が高いもの」を選んで実際に表示させます。すなわち広告同士の価格を競争させ、その上で価格が上位のものに広告枠を提供するということです。
単価が高い広告が表示されるため、Web媒体の提供社にはもちろん、Web媒体の管理者にとっても大きなメリットとなります。

「ヘッダービディング」と「ウォーターフォール」の違い

「ヘッダービディング」に対し、長くWeb広告の主流の配信方法とされているのが「ウォーターフォール」方式です。
ウォーターフォールはプロジェクトマネジメントにも使われる言葉で、詳細な意味は異なるものの、「上から順番に処理していく」というイメージは共通しています。

広告業界で使われるウォーターフォールは、提供された広告を参照する順番が決まっており、ひとつずつ順番に参照していく中で、広告枠が求める価格に適したものがあれば選択・表示するというものです。
水が流れるように一つひとつ参照を行うため「ウォーターフォール」と呼ばれます。
ウォーターフォール方式の懸念点として、たとえ選択されたものが適正価格であっても、「その次に参照されるはずだった広告」のほうが価格が高かったかもしれないという可能性が残ることが挙げられます。
この場合、媒体社も媒体の運営者もより大きな収益の機会を失うかもしれません。
一方ヘッダービディングは一度にすべての広告を参照するため、そのような機会損失の可能性を最低限に抑えやすくなっています。

参考