増加テストとは何か?増加テストの種類やメリットを含めて解説

2021年3月25日

増加テストとは

増加テストとは、システム開発における結合テストの種類の1つです。
「トップダウンテスト」「ボトムアップテスト」「サンドイッチテスト」などが増加テストにあたります。
テストのスタート地点に関わらず、モジュールを1つずつテストしていくのが増加テストの特徴です。

結合テストについては、下記のページで解説していますのでご参照ください。

増加テストの流れ

増加テストの特徴として、「テストを完了したモジュール(部品)に未検証のモジュールを追加しテストしていく」という流れがあります。
そもそも結合テストとは、ソフトウェアの部品として作られた単体のプログラム(モジュール)同士を合体させて行うものです。
増加テストでは一気に複数のモジュールを合体させることはせず、「テストが完了した合体の組み合わせ」に未テストのモジュールを追加していきます。
追加モジュールも含めたテストが完了すればさらに未テストのモジュールを追加、それが完了すればさらに未テストのものを……というふうに、コツコツと未テストモジュールを足していくのが特徴です。

増加テストのメリット

増加テストのメリットに「不具合の原因を調べやすい」というものがあります。
上で書いたように、増加テストはモジュールを一つひとつ追加してテストしていきます。
もし追加した際に不具合が発生すれば、最新の追加モジュールが原因である可能性が高くなります。範囲を絞って調査できるため、効率よくバグを回収することが可能です。

増加テストの留意点

増加テストは1つずつモジュールを足していくため、テスト全体に時間がかかりやすくなります。
大規模なシステムほどテストに要する時間が増えるため、余裕を持ったテストスケジュールが必要です。

増加テストの種類

増加テストには以下のような種類があります。

  • トップダウンテスト
  • ボトムアップテスト
  • サンドイッチテスト

これら3つのテストを簡単に紹介していきます。

トップダウンテスト

システムの上位からスタートするテストです。最上位のテストを行い、徐々に下位モジュールを結合してテストを行います。

ボトムアップテスト

システムの下位からスタートするテストです。まず下位の細かなモジュールからテストを始め、徐々に上位モジュールを追加していきます。

サンドイッチテスト

システムの中間からスタートするテストです。最初にシステム中間部分のモジュールをテストし、上位モジュール・下位モジュールを都度追加していきます。

増加テストと対照的な「一斉テスト」

増加テストとは対照的なテスト方法に「一斉テスト(ビッグバン・テスト)」があります。
これはモジュールを追加していく段階を踏まず、すべてのモジュールを合体させ、一度にテストを行うというものです。
大量のモジュールを一度に結合するため、不具合が発生したとき、原因部分の追究に時間がかかる可能性があります。
しかし増加テストよりも短時間で済ませられるため、小規模なシステム開発では一斉テストのほうがテスト効率を上げやすくなります。

参考