カスタマージャーニーマップとは何か?作成方法をやさしく解説
カスタマージャーニーマップとは
カスタマージャーニーマップとは、カスタマージャーニーの各プロセスにおけるユーザーの行動、思考、感情をプロセス順に表示させるフレームワークのことです。
対象ユーザーの設定を行い、横軸に行動プロセス、縦軸に行動、接点、感情等を表した構成となります。
ユーザーが商品を認知してから購入するまでの状態変化を可視化することができるため、ユーザーとの接点が複雑化する現代ビジネスモデルでも、各プロセスについて全体を通して把握することで課題や対策を検討することに役立てることができます。
同じ商品やサービスでも、ユーザーの属性や購入、利用する目的は多岐に渡ります。それぞれのユーザーが購入に至るまでにどのようなプロセスを辿るのかを可視化するために「カスタマージャーニーマップ」が活用されます。
カスタマージャーニーマップの作り方
カスタマージャーニーマップは次のステップを通して作成します。
- テーマの決定
- ペルソナの設定
- ユーザーの行動を整理
- ユーザーの分類を行う
- ユーザー接点を明確にする
- 感情の起伏をイメージする
- 課題への対応策を検討する
ここからは、各ステップの内容を解説していきます。
テーマの決定
テーマの選定はカスタマージャーニーマップの基礎となります。自社の商品やサービスを決めていき、テーマと共にカスタマージャーニーのスタートとゴールのユーザー状態、スタートからゴールまでの期間を予め設定します。
ペルソナの設定
次にペルソナの作成、設定を行います。ペルソナとは、自社の見込み客、ユーザーの特徴を表現した仮想顧客のことです。ユーザーの基本情報、行動や思考の傾向、心理状態などを詳細に落とし込みます。
ペルソナを設定することで、ターゲット顧客をより深く理解することができ、ユーザーの傾向や心理状態を把握することで、よりニーズに沿った商品やサービスを検討できます。
基本情報:28歳会社員、未婚男性、一人暮らし
よく利用するSNS:Twitter(親しい友人、芸能人のアカウントをフォロー)
趣味:カラオケ、映画、洋楽
ペルソナを詳細に作り込むことで、カスタマージャーニーマップを作成する際の購買行動をイメージしやすくなります。
ただし、あまり作り込み過ぎると現実的でない顧客イメージとなってしまう可能性もあるため、カスタマージャーニーマップの作成を手助けする程度の作り込みに留めておくことがポイントです。
ユーザーの行動を整理
ユーザーの思考や心理状態によって、購入までの行動は様々です。そのため、複数の行動パターンをカテゴライズし、行動の深掘りを行います。
商品やサービスを認知してからの行動パターンとしては、「商品情報をSNSで検索する」「商品の口コミ情報をネットで調べる」「類似商品と価格や機能を比較する」「実際に商品を手に取って確かめる」といったものが挙げられます。これらのようにパターンをカテゴライズしてユーザーの行動を整理することでカスタマージャーニーマップを作成しやすくなります。
ユーザーの行動に関するフレームワークであるAISASモデルは、このユーザーの行動を整理する時に役立ちます。
ユーザーの分類を行う
ユーザーの行動を整理した後は、ユーザーの行動を「認知」「情報収集」「比較・検討」「購入」「廃棄・再購入」の5段階に分けて分類を行います。行動ステージに合わせたアプローチはユーザーの行動を促進することに繋がり、ユーザーの行動全体を可視化しやすくなります。
認知:商品やサービス、企業を知る
情報収集:商品サイトの検索、SNSを利用して商品の口コミを見る
比較・検討:他社商品や自社の他商品との比較を行う
購入:比較、検討の結果、ユーザーの意思で購入を決定する
廃棄・再利用:商品使用後の廃棄、リピーターになる
ユーザー接点を明確にする
ユーザーの行動予測から、自社あるいは自社商品との接点を明確にします。
新商品の購入をゴールと定めた場合、ユーザーが商品を知るための手段を明確にすることとなります。例として自社の公式SNSアカウントで新商品を購入したユーザーの投稿を紹介したり、新商品の告知を打ち出したりするなどがあります。
感情の起伏をイメージする
ユーザーの行動について、スタートからゴールまでの洗い出しが行えた後は、ユーザーの心理状態や感情の起伏をグラフにして把握することも大切です。
ポイントとして、行動を記入する際は行動にフォーカスして最初のフェーズから最後のフェーズまでの一連の流れを洗い出して記入することで、ペルソナの状態変化を具体的にイメージしやすくなります。
課題への対応策を検討する
カスタマージャーニーマップの各フェーズの項目を埋めた後は、その情報を基に現状で達成できていない課題とその解決策を洗い出してマップに記入します。この時、カスタマージャーニーマップの全体を把握するためにも横軸と縦軸で見ていきます。
横軸は、ユーザーが商品を把握してから購入するまでの「行動の流れ」です。ユーザーの行動ステージは自然な流れであるか、ユーザーと自社との接点は明確化できているか、感情の起伏が激しい点がないかを確認できます。
縦軸は、行動ステージ毎にユーザーの行動、心理状態、自社のアプローチ方法を把握できます。ユーザーの行動や心理状態に対して、自社のユーザーへの訴求が適切かどうかの判断材料となります。