特性要因図とは何か?問題解決のための基本をおさらい

2020年9月22日

特性要因図の概要

特性要因図のイメージ(画像はWikiより)

特性要因図とは、潜在的な問題を発見するために用いられる手法です。製造業で起こる問題の原因を特定して、有効な対策を打つための手段として利用されていましたが、現在はあらゆる分野に活用されています。

1956年に東京大学教授の石川馨が考案したために「石川図(イシカワ・ダイアグラム)」と呼ばれることもあり、図式が魚の骨の形に似ているため「フィッシュボーン図」と呼ばれることもあります。

特性要因図の作成手順は後述しますが、PCのエクセルを使用して作成するのが一般的です。また、より簡単に作成できるComputer Aided Fishbone ChartEdraw Maxなどのソフトも提供されています。

特性要因図の必要性

特性要因図を作成すると、以下のようなメリットが得られます。

課題の洗い出しができる

現在の課題の原因を探すために特性要因図を使用します。
特性要因図を作成すれば、理想の結果が出ていない要因を細かく把握することも可能です。
1度に頭に思い浮かぶ要因は数少ないかもしれませんが、一つ一つの要因を特性要因図に記入していけば、課題の洗い出しが行えます。

問題意識を共有できる

問題状況に対する認識の差をなくすために、問題意識を共有することが大切です。
しかし、言葉だけで伝えると誤解を与えてしまうことも多々あります。
そのため、課題点を図にして示すことで問題意識は共有しやすくなります。このように、図式化してプロジェクトメンバーで情報共有する際にも使われることが多いです。

サービスの品質が安定する

サービスの品質を安定させるためには、ミスの原因を徹底的に洗い出して、再発防止することに時間をかけましょう。
とある会社で従業員が100名も在籍していれば、ミスも100通り存在します。
そのため、場当たり的な対応ではなく、ものごとの本質を見極めて、次はどのように対処していけばいいのか考えていくことでサービスの品質は安定していきます。失敗例をまとめる場合も特性要因図を使用されることがあります。

ノウハウが蓄積されていく

特性要因図には、理想の結果になっていない要因をまとめていきますが、洗い出した課題に対して対策を取っていきます。課題改善に最適な図式ですが、作成したものをストックしておけば、社内ノウハウを蓄積していくことができます。

特性要因図の作成手順

課題の洗い出しに最適な特性要因図ですが、実際にどのように作成すれば良いのでしょうか?
特性要因図の作成手順は以下の通りです。

  1. 解決したい課題を書く
  2. 課題の要因を書き出す
  3. 要因を細分化していく
  4. 因果関係を検証していく
  5. 課題を発見したら対策を打つ

ここからは、これらの手順について解説していきます。

解決したい課題を書く

まずは、現状抱えている課題となる軸を引いていきます。この課題軸に対して、考えられる要因が紐づけられていきます。

課題の要因を書き出す

課題となったトラブルが起きた要因について書き出していきます。要因を書き出す場合は、Man(人)・Machine(機械・設備)・Method(方法)・Material(材料)の4Mをベースに考えていきましょう。また、思いついた要因を書き出していくことが大切です。

要因を細分化していく

課題の要因は細分化していくことができます。
例えば「売上がダウンした(解決したい課題)」の「人(要因)」に関する要素として「人材採用が上手くできていない」などが挙げられます。要因を細分化していく過程でも、思いつきで細分化していくことが大切です。

因果関係を検証していく

要因を書き出したら、その要因が課題に影響を及ぼしているか因果関係を考えていきます。

課題を発見したら対策を打つ

特性要因図は、課題を洗い出す際に使用する図ではありますが、課題を洗い出して終わりではありません。課題を解決していくための対策を打っていきましょう。