ADKARモデルとは何か?組織変革のモデルの5つのステップを解説

2022年2月16日

ADKARモデルの概要

ADKARモデルは、米国Prosci社のジェフリー・ハイアットが書籍『ADKAR: A Model for Change in Business, Government and Community』で紹介した組織変革モデルです。
比較的シンプルなモデルであり、組織変革として5つのステップとなる「Aware(認識)」「Desire(願望)」「Knowledge(知識)」「Ability(能力)」「Reinforce(強化)」の頭文字から「ADKARモデル」と呼ばれています。

ADKARモデルの5つのステップ

Aware(認識)

Aware(認識)は、危機意識の浸透を意識付けるステップとなります。組織変革を行うプロジェクトに対して、組織の有識者から変革が必要な理由や新たに挑戦しようとしている方向性(機会)をメンバーに説明し、メンバーそれぞれが変革の必要性を認識している状況になればAware (認識)のステップは成功したこととなります。

Desire(願望)

Desire(願望)は、組織としてのビジョンを聞いたメンバーが、自ら実施したい気持ちを持つ状態になるステップとなります。メンバーの気持ちを保つためにも、リーダーがメンバーの持つ疑問(変革がもたらす意味や、メンバーそれぞれが行っていく役割)の解消を支援することが大切です。

Knowledge(知識)

Knowledge(知識)は、Desire(願望)にて前向きな志を持ったメンバーが変革を実施するために必要な知識を習得するステップとなります。Aware (認識)、Desire(願望)のステップを経てKnowledge(知識)を習得することが重要となるため、リーダーは必要な知識を提示できるように進めていく必要があります。

Ability(能力)

Ability(能力)は、知識を付けたメンバーが実際にそれを活用して実行するステップとなります。知識を積み上げたとしても行動に移せないと意味がなく、メンバー自らが動かなければ変革は進みません。

Reinforce(強化)

Reinforce(強化)は、Knowledge(知識)によって知識を得たメンバーがAbility(能力)として実行し成果を挙げたことを認め、変革が進むことを後押しするステップとなります。
報奨金の支給やメンバーが新たな仕事のやり方に取り組むことへの認知(賞賛)にてメンバーのモチベーションを強化し、変革を一つ上の段階に進めていきます。

まとめ

以上のように、ADKARモデルでは組織変革の根幹となる重要な要素が抽出されており、誰にでも理解できる形で構成されたモデルであることが特徴です。変革に対して体系的手法として利用されることが多く、変革の中でメンバーそれぞれが自分の意思で前進させることの実務的な体系モデルとなっています。

参考