BPR(Business Process Re-engineering:業務プロセス改革)とは

2022年5月23日

BPR(Business Process Re-engineering:業務プロセス改革)の概要

近年、多くの企業が働き方改革やデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めて行く中で「BPR」が注目されています。BPRはビジネスプロセス・リエンジニアリング(Business Process Re-engineering)の略称であり、現在の社内の業務内容や業務フロー、組織構造などを根本的に見直し、再設計するものとなります。
BPRの「R(Re-engineering)」は再構築といった意味を持っており、現存するルールの見直しを行い、ビジネスを成功させるための新たなルール、プロセスを構築することです。業務に関係するあらゆる要素の見直しを行うことで、企業本来の目的を達成することを目指しています。

BPRが定着してきた背景

BPRの歴史は古く、元マサチューセッツ工科大学教授のマイケル・ハマー博士と、経営コンサルタントのジェイムス・チャンピによって1993年に公表された「リエンジニアリング革命」により世界中に広まりました。
長期不況によって疲弊した企業経営に対して根本から立て直す革新的な概念として注目され、多くの企業でBPRが実施されてきましたが、日本企業によるBPRの取り組みはリストラの助長にも繋がるものとなり、試みとしては成功と言えるものではありませんでした。しかし、近年ではIT技術の進歩、発展により既存リソースを効果的に活用することができるようになり、再び注目を集めています。

BPRの定義に含まれるキーワード

BPRを活用してプロセス改革を行う際に重要となる以下の4つのキーワードがあります。

  • 根本的
  • 抜本的
  • 劇的
  • プロセス

ここからはこれらのキーワードの説明をしていきます。

根本的

根本的とは「ものごとが成り立っている大元に関するさま」という意味を持つ言葉です。
ただ与えられた仕事を淡々と行っているだけでは目標に近づくことはできません。この仕事はなぜ必要なのか、この組織はどういった役割があって存在しているのかといったことを一つずつ見直す必要があります。

抜本的

抜本的とは「物事の根本に立ち戻って是正する」という意味を持つ言葉です。
昔からの習慣で行っていることや、習慣のみで進めてきた業務に対して、本当に必要な業務なのかといったことを客観的に検討します。

劇的

劇的とは「劇を見ているように緊張や感動を覚えるさま」という意味を持つ言葉です。
少しだけの改善や部分的な改善では大きな成果を得ることは難しく、基礎の部分から全体的な変革を行う必要があります。

プロセス

プロセスとは「物事を進める手順」という意味を持つ言葉です。
変革を進めるための複数の要素(根本から変えていく業務)をプロセスに取り込み、ユーザーに価値を提供できるアウトプットを伴った行動に変えていきます。

BPRと業務改善の違い

BPRが意味する「業務改革」と類似するものとして「業務改善」がありますが、これらは別のものとなります。
「業務改善」では、既存の業務プロセスを残したまま部分的に改善を行い、無駄を省くことで本来の業務をスムーズに進めることができるようにしていきます。そのため、業務を大きく変革するものではなく、業務の効率化を図ることを目的としています。
反対に「業務改革」では、抜本的に業務プロセスを見直すことを目的としており、企業が目指す姿を達成するための取り組みです。部分的な改善だけではなく、プロセス全体を見直すことで新しい価値や付加価値の創出を追求していきます。

BPRの進め方

BPRの進め方として、一般的には「検討」「分析」「設計」「実施」「評価」の5つのステップで行われます。

検討 - 全体像の把握と目標の設定 -

企業が目指す姿としての目標設定を行います。詳細な目標は改革の成功率を高め、スムーズな改革に繋がるため、現状の状況を十分に把握し現実的かつ明確な目標設定を行うことが重要です。階層の異なる社員から改善するべき点を聞き出し、経営層からは企業戦略に応じた改善点の聞き出しを行った上で、それぞれの役割や立場を考慮した企業戦略としての目標を調整するのも効果的です。

分析 - 問題点の洗い出し -

現在の業務フローや業務内容、組織構造を可視化し、課題の原因を把握していきます。顕在的な課題のみならず潜在的な課題の洗い出しを行うことが重要となり、業務を遂行する現場からの意見を取捨選択しながら進めて行きます。現在のミクロな視点と、全体プロセスを俯瞰したマクロな視点からの改善策を模索することが重要です。

設計 - 方針の策定 -

課題と改善策を定めた後は、それをどう改革していくべきかという設計を行います。全体的な戦略や方針を策定し、具体的にどのような手法をプロセスとして適用するのかを考えます。
設計をスムーズに進めていくためには、取引先も含めたメンバー構成や投資額に対する費用対効果の妥当性を考慮した体制の整備も重要です。

実施 - リスクを想定した変革 -

業務改革方法の設計を元にBPRの実行を行います。大きな改革には混乱や反発が生じるケースもありますが、準備段階から関係各所とのコミュニケーションをしっかりと取っていればリスクは最小限に抑えることもできます。生じた課題の種類や重要度を精査し、最善の選択を行うことが重要です。

評価 - モニタリングと改善 -

実施フェーズによって改革を進めた後は、改革内容の定着と評価を行います。計画段階で期待した効果は出ているか、変革によるマイナスの影響は出ていないかを継続的にモニタリングし、目標の達成に至らない場合は業務の最適化を行います。

参考