金メッキとは何か?スコープ・クリープとの違いを解説

2021年6月2日

金メッキの概要

金メッキとは、一般的にはあるモノの表面に薄い金を貼り付けて加工することを指しますが、プロジェクトマネジメントではもともとの作業範囲(スコープ)以上の機能を追加してしまうことを意味する俗語として使われることがあります。
機能を追加する原因の多くは、プロジェクトのメンバーがステーク・ホルダーの期待を上回ろうとすることです。
ステーク・ホルダーを喜ばせようと、あれやこれやと機能追加を約束したプロジェクトは、見た目は立派な金に見えます。
しかし、プロジェクトを進めていくと、スケジュールや資源、コストに無理が生じ、多くの場合は失敗に終わり、中身を伴わない金メッキであったことが露呈してしまいます。

金メッキの原因と対策

金メッキが発生する原因には以下のようなものが挙げられます[1]Scope Creep and Gold Plating in Project Management ― PM Study Circle

  • クライアントを喜ばせたい
  • 自分の能力を証明したい
  • 既存の欠陥から注意をそらしたい

この金メッキの対策は変更管理を徹底することです。
つまり、正式な承認を経ていない変更要求の内容をスコープに組み込まない体制を築くことが重要です。

スコープ・クリープとの違い

金メッキに似たプロジェクトマネジメントの用語に「スコープ・クリープ」があります。
スコープ・クリープは時間、コスト、および資源を調整することなく、プロダクトまたはプロジェクトのスコープをコントロールせずに拡大することを意味しています[2]PMBOK第6版、715頁
両者の違いをまとめると以下のようになります[3]Scope Creep vs Gold Plating

金メッキスコープ・クリープ
スコープのベースラインは変更されない(正式な変更管理を経ていない)スコープのベースラインは変更される(正式な変更管理を経ている)
プロジェクトのメンバーが原因で発生することが多いステーク・ホルダーからの要求によって発生することが多い
変更管理を実施し、承認を経ていない追加機能を認めないことで対策する変更管理の中で、変更による影響を把握し、むやみに機能を追加しないことで対策する

参考