資源要求事項とは何か?PMBOKにでてくる用語を解説

2021年11月29日

資源要求事項の概要

資源要求事項は、プロジェクト工程の遂行に必要な資源の種類と数量を特定し、プロジェクト全体の資源見積りを把握するためにまとめた資料です。
アクティビティ資源の見積りのアウトプット(プロセスによって生成されるプロダクト、所産、またはサービスのこと)として活用します。
資源要求事項があることで、工程ごとの詳細スケジュールを作成する際に作業の所要時間を見積もる時や、資源調達の費用や段取りを計画する時に重宝します。
資源要求事項・アクティビティ資源の見積りのインプット(プロセスが進められる前に必要となるさまざまな項目)は、プロジェクトマネジメント計画書、プロジェクト文書、組織体の環境要因、組織のプロセス資産です。

資源要求事項の構成

資源要求事項では、以下のような事項に言及していきます。

  • 資源の種類
  • 資源の見積り根拠
  • 資源の可用性
  • 資源の使用量の前提条件

以降で資源要求事項の構成要素を詳しく説明します。

資源の種類

資源の種類では、プロジェクトに必要な人員・機器・物質等を記述していきます。
必要な資源は、資源情報やコスト見積り、アクティビティなどの情報を含んでいるプロジェクト文書から特定可能です。

資源の見積り根拠

資源の見積り根拠では、各資源についてなぜその量が必要になるのかを記述していきます。
見積り作成に使用する方法、見積り作成に使用した資源、前提条件、制約条件、リスク、見積りの範囲、信頼水準の項目からその根拠を明確にします。
根拠のない資源調達はプロジェクトへ余計な負荷を与えることにもなりかねませんので、非常に重要なポイントでもあります。

資源の可用性

資源の可用性は、人員・機器・物質等のどの資源が利用可能なのか、どこから供給されるのか、いつ利用できるかという点を記述していきます。
例えば、人的資源は組織内の人員を含める方法も取れますが、アウトソーシングで外部から人員を補充する方法も考えられるでしょう。
また、機器や物質などのモノであれば全てを購入するのでなく、一部リースやレンタルなどの方法で賄うことも一つの手です。
利用可能な時期も明確にしていくことで、プロジェクトの全体スケジュールもより調整しやすくなります。

資源の使用量の前提条件

資源の使用量の前提条件は、各資源を提示した量だけ使うことへの前提条件を記述していきます。
また、ここでいう前提条件とは、プロジェクトを遂行するにあたって「成立すると仮定できる要素」を指します。
前提条件がなければ、提示した見積りがどのような要望であっても実現するということになりかねません。
すなわち、前提条件を事前に洗い出すことで起こりえるリスクを特定しやすくなります。

資源要求事項の位置付け

各工程を進めていくために必要な資源の見積りを行う資源要求事項は、PMBOKガイドでは、立上げ、計画、実行、監視・コントロール、終結の5つのプロセス群の中で、計画プロセス群に位置します。
計画プロセス群の中でもさらに「資源マネジメント」という項目があり、資源マネジメントには以下のプロセスがあります。

  • 資源マネジメントの計画
  • アクティビティ資源の見積り
  • 資源の獲得
  • チームの育成
  • チームのマネジメント
  • 資源のコントロール

この中の「アクティビティ資源の見積り」プロセスに、資源要求事項は含まれているという位置付けです。

資源要求事項の必要性

プロジェクトを進めていくにあたって、必要な資源やコストを見積もることは極めて重要です。
PMBOKではこのプロセスをアクティビティ資源の見積りと定めており、ここでの資源とは、物的資源のみならず、プロジェクトを遂行するのに必要な人員も意味します。
資源マネジメントでは、この「人的資源」に占める割合が大きいことから「人的資源マネジメント」とも呼ばれています。
アクティビティ資源の見積りを行うことで、プロジェクトに本当に必要な資源の種類や数量を確認でき、コストの見積りのプロセスで必要な金額を正確に見積ることに繋がるのです。

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Posted by promapedia