コロケーションとは何か?ハウジングとの違いを含めて解説

2021年8月30日

コロケーションの概要

コロケーションとは、所有者の異なる設備や機器などを共同の場所に設置することを指します。外部へ機能やサービスを提供するためのサーバーなどを設置、運用を行う施設(データセンター)であり、事業として法人や個人に対してデータセンターを提供するサービスを「コロケーションサービス」もしくは「ハウジングサービス」と呼びます。

コロケーションの沿革

現在では、「コロケーション」と「ハウジング」について同じような意味で使われていますが、以前はそれぞれ別の意味合いで使われていました。
コロケーションの本来の意味としては、通信事業者の局内に他の通信事業者の機器を設定することを示します。電気通信事業法が制定された後、第一種電気通信事業者と第二種電気通信事業者が定められ、第一種は自前の通信回線を持つ事業者であることに対し、第二種では第一種電気通信事業者から回線を借りて通信事業サービスを行う事業者となります。第二種電気通信事業者は、第一種の回線を借りるため、第一種の局内に機器を持ち込んで接続することとなります。これがコロケーションの始まりです。
その後、ADSLが流行した頃、ADSL提供事業者は、第一種電気通信事業者の施設内に機器を設置する必要があり、設置する場所を「コロケーション・スペース」と呼びます。そして、競合他社との間でコロケーション・スペースの争奪戦が始まり、コロケーションは「スペースを確保すること」という意味に変化するようになりました。一方、「ハウジング」については、データセンターの設備を提供するサービスとなり、ラックスペース(サーバーを設置する場所)や通信回線などの提供を行うことを指します。このことから昨今ではコロケーションとハウジングが同じような意味合いで使われています。

コロケーションのメリット

コスト削減効果

社内でサーバーを管理する場合は、設置のためのスペースやサーバー維持のための空調設備を整える必要があります。大規模なシステムとなるとサーバールームの維持費が増えていき、コストが大きくなります。コロケーションであれば、サーバーの台数が増えても、スペース分の費用のみとなるため、社内にサーバールームを増設するよりも経済的です。

BCP対策の強化

データセンターはサービスの形態上、強固な建物で造られていることが一般的です。そのため、事業継続計画(BCP)として、地震や停電などによる緊急事態の対策が十分取られていることが多く、BCP対策としても有効となります。

安定したサーバーの稼働

社内でサーバーを設置する場合は、サイバー攻撃や内部不正を防ぐためのセキュリティ対策が必須となります。データセンターであれば、サイバー攻撃などのセキュリティ対策に加えて、監視カメラによる24時間監視といった入退室管理も十分行われていることから安定したサーバー稼働が見込めます。

参考

用語

Posted by promapedia