顧客ファクトリーとは何か?『Running Lean』に登場する手法を解説
顧客ファクトリーの概要
顧客ファクトリーとは、『Running Lean』の中に登場する手法のことで、マーケティング、販売、顧客サービス、製品など、ビジネスの内部のすべてを表したものです[1]Ash Maurya(著)、角 征典(翻訳)『Running … Continue reading。
つまり、顧客ファクトリーは商品に顧客が気づき、その利用者になるまでの流れを図式化したものです。
顧客を獲得する5つのステップ

ここからは花屋さんを例に、顧客ファクトリーの顧客を獲得する5つのステップについて解説していきます。
獲得
獲得は、訪問客を見込み客にする段階です。
花屋さんでは、店の外にいる人に足をとめてもらい、お店に入ってもらうことに該当します。
アクティベーション
興味を持ってくれた見込み客が、満足できる体験をする段階です。
花屋さんの場合、お店に入ってきたお客さんが、買いたくなるような素敵なフラワーアレンジメントを目にすることがアクティベーションに該当します。
お客さんはこの体験をすることで、すばらしい花を観賞したという満足感を得ます。
『Running Lean』では、このアクティベーションの体験を「アハ体験」とも呼んでいます。
アハ体験とは「未知の物事に関する知覚関係を瞬間的に認識する事」を指していますが[2]https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%8F%E4%BD%93%E9%A8%93、顧客ファクトリーの場合は、瞬間的に商品やサービスの良さを認識する体験といえるでしょう。
定着
定着は、商品を繰り返し使用することを意味します。
花屋さんでは、再訪を指します。お祝い事など花を買おうとした際に、思い出してくれて、またお店を訪れてくれる状態です。
収益
収益はその言葉どおり、商品の対価をもらう段階です。顧客が花を購入してくれ、対価である代金を受け取ることが該当します。
紹介
紹介の段階では、新規の見込み客を獲得します。花屋さんであれば、購入してくれたお客さんが、知人にお店を紹介してくれることで、新たな見込み客を獲得するイメージです。
顧客ファクトリーとトラクション
『Running Lean』では、トラクションを重視しています。トラクションとは、ビジネスの成長を予測させる指標を意味しますが、顧客ファクトリーの各ステップはこのトラクションの定義をより具体化することに使えます。
つまり、顧客ファクトリーの「獲得」や「アクティベーション」、「収益」の数値が良いことは、その商品・サービスのニーズが高いことを意味しますし、「定着」や「紹介」の数値が良いことは、その商品・サービスの品質が良いことを意味しています。
このように、自身の商品やサービスのトラクションの設定に迷ったら、顧客ファクトリーを考えることで、トラクションの定義をすることができます。
トラクションについては、下記の記事もご参照ください。