マトリックス組織とは何か?マトリックス組織の種類と導入するメリットを解説

2021年8月31日

マトリックス組織の概要

マトリックス組織(マトリクス組織)は、マトリクス図(縦軸と横軸を基準に項目を配置し、関連度合いを交点に表示する図)と同じように組織の事業やプロジェクト、職能、エリアなどの要素を軸とした、網目のような形態の組織を意味します。
例えば、開発部門に所属しながら、Aプロジェクトにも所属しているといった形です。
このように、マトリックス組織に所属する従業員は単体の部門ではなく複数の部門に所属することになり、所属している双方の上司の指揮下で業務を進行していきます。

マトリックス組織の種類

マトリックス組織には「バランス型」「ストロング型」「ウィーク型」の3種類があり、それぞれ特徴が異なります。
バランス型は、プロジェクトチームの中から責任者を決めて形成する組織です。
大きなプロジェクトでメンバー個人の動きだけでは対応しきれない場合などに、責任者がプロジェクト全体を把握し、リソースの調整といった対応ができます。
ストロング型は、プロジェクトマネジメント専門のマネージャーをプロジェクトに加えた組織です。
マネジメントの専門的な知識・スキルを有した人材を起用するため、プロジェクトメンバーは自分の作業に集中できるメリットがあります。
ウィーク型は、他2つとは異なり責任者やマネージャーのいない組織です。
そのため、プロジェクトメンバーは個人の判断で行動でき、スピーディーかつ自由な対応でプロジェクトを進行できます。

マトリックス組織のメリット

マトリックス組織以外の組織形態として、多くの企業で「ピラミッド型組織」が採用されています。
ピラミッド型組織は軍隊組織が原型とされており、指揮命令系統が1つであることから意思決定がスムーズです。
一方、上から下への指示回数が増えていくごとに、誤解や齟齬が生まれやすいといった欠点もあります。
また、トップダウン式であることから上の指示が遅ければプロジェクト全体の進行が遅れたり、立て直しを図るのが難しかったりと、変化に弱く柔軟な対応がしにくいです。
その点、マトリックス組織は複数の部門を組み合わせていること、種類によって責任者を設定しないことなどが特徴で、組織内のより複雑なオペレーションにも対応できる形態となっています。
従来のトップダウン式からより変化に強く柔軟に業務を遂行できる組織を作りたい企業に、マトリックス組織は必要と言えます。

マトリックス組織はどういう時に使われるのか?

マトリックス組織を企業で採用するのは、複数の目標を並行して達成したい場合です。
指揮命令系統を複数に増やすことからプロジェクトごとに業務を遂行でき、プロジェクトメンバーを柔軟に活用できます。
また、プロジェクトメンバーは複数の部門に所属することから、今まで以上に幅広い知識やスキルを習得できるメリットもあります。

  • 複数の目標を並行して達成したい場合
  • 変化に強く柔軟な対応でプロジェクトを進めたい場合
  • プロジェクトメンバーに幅広い知識やスキルを習得させたい場合

上記に当てはまる場合に、マトリックス組織は利用する価値がある形態です。

参考