権威とは何か?プロジェクト・マネジャーが意識すべき権威の種類を紹介

権威の概要

権威とは一般的に「他の者を服従させる威力」という意味で使われます[1]権威(けんい)の意味 – goo国語辞書
人を動かす役割を担っている人物であれば、この権威を有しているか否か、そして上手く行使しているかどうかが仕事の成否に影響を与えます。
プロジェクト・マネジャーにとっても、この権威はプロジェクトを進める上で重要な意味を持ちます。
優れたプロジェクト・マネジャーは積極的かつ意図的に権威を行使して、プロジェクトを進めていきます。
また、彼らはこれらの権威を与えられるのを待つだけでなく、権威を積極的に獲得しようとします。

権威の種類

権威にはいくつかの種類がありますが、ここからはPMBOKで紹介されている権威の種類を列記していきます。

  • 職位による権威
  • 情報による権威
  • 専門性による権威
  • 後ろ盾による権威
  • 状況による権威
  • 人格またはカリスマ性による権威
  • 愛想の良い態度による権威
  • 関係性による権威
  • 報酬による権威
  • 罰を与えることによる(または強制による)権威
  • 圧力による権威
  • 罪悪感による権威
  • 説得することによる権威
  • 回避することによる権威

職位による権威は、「正式な権威」や「認可された権威」、「正当な権威」とも呼ばれるものです。
例えば、経営者にプロジェクトのプロジェクト・マネジャーに選ばれたことによって、人が言うことを聞くようになるのは、この職位による権威によるものです。

情報による権威は、情報を有していることによる権威です。同じような権威として専門性による権威というものもあります。
これらの権威は「情報や専門性を持っているから、その指示に従おう」と思わせる権威です。

後ろ盾による権威は他者が抱く敬意や賞賛、信頼による力です。
例えば、「あの人は数々のプロジェクトを成功に導いてきた。このプロジェクトでもその指示に従っていれば間違いないだろう」と思わせるような力は、この後ろ盾による権威によるものです。

状況による権威は、特定の危機など、固有の状況に起因する権威を指します。

権威は個人的な魅力によっても発生します。
例えば、人格またはカリスマ性による権威は魅力や引き付ける力による権威です。
また、愛想の良い態度による権威は共通要素を活用するなどして獲得した好意や協力による力です。

関係性による権威は、人脈や提携への参加による権威です。

外的な要因で得られる権威もあります。
報酬による権威はその名の通り、報酬を与えたり、約束したりすることで、人を従わせようとする力です。
反対に、罰を与えることによる権威では罰を与えることや、罰の存在により、人を動かそうとします。しかし、罰を与えることによって権威を発揮することは、プロジェクト・マネジャーとして最後の手段としておいたほうがよいでしょう。

この他、説得することにより得られる権威もあれば、罪悪感に訴えることにより発生する権威もあります。

権威は上記のものだけに限りませんが、プロジェクト・マネジャーはこれらの権威の種類を把握し、適切に行使してプロジェクトを進めていくことが求められます。

用語

Posted by promapedia