現在価値と将来価値の違いとは何か?投資や取引のリスクを判断する指標

2022年1月14日

現在価値と将来価値の概要

現在価値とは、将来受け取れる金額を現時点の価値で計算し直した金額のことです。
例えば、1年後に受け取れる110万円は、金利が年間10%とすると現在価値で100万円になります。なぜなら、現在100万円を持っていて、それを銀行に預けておけば、金利の10%が加わって110万円になるからです。

一方、将来価値とは、現在所有している金額に対して将来のある時点での価値に計算し直した金額のことです。現在価値とともに使われる言葉で、先の例で言えば現在所有している100万円は将来価値に計算し直すと100万円とは限らず、金利が年間10%であれば将来価値は110万円となります。

現在価値と将来価値の必要性

お金は時間の経過によって価値が変わり、現在の100万円と将来の100万円が同じ価値でないことは何となくわかると思います。先の例のように、金利によって1年後には価値が上がったり、反対に下がったりする可能性もあり、この差は「お金の時間価値」と言われます。

一般にお金の価値は、同金額であれば受け取る時点が現在に近いほど価値は高くなり、遠いほど価値は低くなります。一方で、お金を支払う場合は現在から遠いほど有利に働きます。

このように、お金の時間価値がわかることで投資や取引などで将来の金額が現在価値に直すといくらになるのか計算でき、より合理的な判断が可能です。

現在価値と将来価値の計算式

現在価値や将来価値を求める場合には「割引率」を用います。割引率とは、将来受け取る金額を算出する際に用いる金利などのことです。

そのため、割引率の数値次第で現在価値や将来価値は大きく変動します。

現在価値は、将来価値を割り引くことで算出できます。計算式は以下の通りです。

  • 現在価値 = 将来価値 ÷ (1+割引率)^年数

将来価値は、現在価値から金利や期待収益率などを用いて求められます。計算式は以下の通りです。

  • 将来価値=現在価値 × (1+割引率)^年数

現在価値と将来価値の計算例

例えば、金利が年間10%である場合、1〜5年後に取得する100万円の現在価値は以下のようになります。

  • 1年後の現在価値:100万円 ÷ (1 + 0.1)^1年 ≒ 90.9万円
  • 2年後の現在価値:100万円 ÷ (1 + 0.1)^2年 ≒ 82.6万円
  • 3年後の現在価値:100万円 ÷ (1 + 0.1)^3年 ≒ 75.1万円
  • 4年後の現在価値:100万円 ÷ (1 + 0.1)^4年 ≒ 68.3万円
  • 5年後の現在価値:100万円 ÷ (1 + 0.1)^5年 ≒ 62.1万円

このように、現在価値が年々減少していくのがわかります。

一方、金利が年間10%である場合の現時点で所有している100万円を1〜5年後の将来価値は以下のようになります。

  • 1年後の将来価値:100万円 × (1+0.1)^1年 = 110万円
  • 2年後の将来価値:100万円 × (1+0.1)^2年 = 121万円
  • 3年後の将来価値:100万円 × (1+0.1)^3年 ≒ 133万円
  • 4年後の将来価値:100万円 × (1+0.1)^4年 ≒ 146万円
  • 5年後の将来価値:100万円 × (1+0.1)^5年 ≒ 161万円

現在価値とは反対に、将来価値は年々上昇していくのがわかります。

割引率とリスクを踏まえた計算例

現在価値や将来価値を計算する際に使用する割引率は、投資や取引のリスクによって変動します。そのため、リスクが高いと判断した場合は割引率も高く設定する必要があり、リスクが低いと判断した場合は割引率も低く設定するのです。

  • リスクが高い場合の1年後の現在価値:100万円 ÷ (1 + 0.5)^1年 ≒ 66.6万円
  • リスクが低い場合の1年後の現在価値:100万円 ÷ (1 + 0.1)^1年 ≒ 90.9万円

上記のように、リスクが高い場合は割引率が上がるため1年後の現在価値は66.6万円と低くなり、リスクが低い場合は割引率も下がるため1年後の現在価値は90.0万円と高くなります。

  • リスクが高い場合の1年後の将来価値:100万円 × (1+0.5)^1年 = 150万円
  • リスクが低い場合の1年後の将来価値:100万円 × (1+0.1)^1年 = 110万円

反対に、将来価値はリスクが高い場合には比例して金額が150万円と高くなり、リスクが低い場合は金額が110万円と低くなります。

参考